□志貴の部屋
よし、琥珀さんの手伝いをしよう。
昼食の片付けが終わったら一階の客間に行く、とか言ってたっけ。
昼食の片付けが終わったら一階の客間に行く、とか言ってたっけ。
□屋敷の物置
「琥珀さん、お邪魔するよー」
声をかけて中に入る。
「………………………」
琥珀さんは部屋の隅で何やら考え込んでいるようだった。
声をかけて中に入る。
「………………………」
琥珀さんは部屋の隅で何やら考え込んでいるようだった。
「琥珀さん、何してんの?」
琥珀さんの後ろに立って声をかける。
琥珀さんの後ろに立って声をかける。
【琥珀】
「!?」
びくん、と背筋を伸ばして振りかえる琥珀さん。
びくん、と背筋を伸ばして振りかえる琥珀さん。
【琥珀】
「———志貴さん、でしたか。いきなりなのでびっくりしてしまいました」
はあ、と胸を押さえて深呼吸する。……どうやらよほど驚かせてしまったようだ。
「———志貴さん、でしたか。いきなりなのでびっくりしてしまいました」
はあ、と胸を押さえて深呼吸する。……どうやらよほど驚かせてしまったようだ。
「すみません、いきなり声をかけちゃって。何か手伝えるような事があるかな、と思って来たんですけど、これじゃ邪魔をしにきただけですよね」
【琥珀】
「邪魔だなんて、そんな事ないですよ。今のはわたしの不注意ですからお気になさらないでください」
照れくさそうに言うと、琥珀さんはさっきまで見ていたモノに視線を移した。
部屋の隅。
そこには、なにやら曰くありげな金庫があった。
「邪魔だなんて、そんな事ないですよ。今のはわたしの不注意ですからお気になさらないでください」
照れくさそうに言うと、琥珀さんはさっきまで見ていたモノに視線を移した。
部屋の隅。
そこには、なにやら曰くありげな金庫があった。
「その金庫を見てたんだね。……俺は初めて見るけど、それって何が入ってるの?」
【琥珀】
「中身に関してはわたしも知りません。これは槙久さまがご使用になられていた物で、槙久さまがお亡くなりになられてからまだ一度も開けられていない開かずの金庫ですから」
「中身に関してはわたしも知りません。これは槙久さまがご使用になられていた物で、槙久さまがお亡くなりになられてからまだ一度も開けられていない開かずの金庫ですから」
「へえ、開かずの金庫か。でも、鍵はあるんだろう? 秋葉なら中に何が入っているか知ってるんじゃないのか?」
【琥珀】
「いえ、それが秋葉さまもご存知でないそうです。
ほら、ここに鍵穴が二つあるでしょう? この二つの鍵は八年前に紛失してしまって、それ以来この金庫は開けられていないんです」
「——————」
八年前から開けられていない金庫、か。
ほら、ここに鍵穴が二つあるでしょう? この二つの鍵は八年前に紛失してしまって、それ以来この金庫は開けられていないんです」
「——————」
八年前から開けられていない金庫、か。
「ん……? 二つの鍵って、確か———」
なんか、頭にひっかかる。
そういえば、それらしい鍵なら確か……
なんか、頭にひっかかる。
そういえば、それらしい鍵なら確か……