□アルクェイドの部屋
……アルクェイドに訊きたい事、なんて言ったら大部分は不可思議な現象について、という事になる。
おりしも今、街では通り魔殺人が再発しているというし質問には事欠かない。
おりしも今、街では通り魔殺人が再発しているというし質問には事欠かない。
「アルクェイド、街で通り魔事件が起きてるって知ってるだろ。おまえ、あれってどう思う」
【アルクェイド】
「どうって、わたしそんなの知らないよ。ニュースも新聞も最近は見てないし」
「な————」
そういえばそうだった。
ロアもネロもいなくなった今、アルクェイドは以前ほど熱心に情報収集に励んでいるわけではなかったのだ。
「な————」
そういえばそうだった。
ロアもネロもいなくなった今、アルクェイドは以前ほど熱心に情報収集に励んでいるわけではなかったのだ。
……いや。それ以上に、そんな話を俺は何処で聞いたんだっけ……?
□アルクェイドの部屋
「あ、あのなあ! 仮にもおまえは吸血鬼狩りの真祖だろ!? ならもちっとシャンとしろよ、今回の事件だってロアの残党かもしれないんだからさ」
【アルクェイド】
「志貴の方こそ猟奇事件が起きるたびにわたしたちのせいにするの止めてよね。だいたい死徒の残党なら、地上に現れた瞬間にシエルが処理して終わってるわよ」
「——————う。それは、そうかも」
反省。たしかになんでもかんでも吸血鬼の仕業にするのは良くない。
「——————う。それは、そうかも」
反省。たしかになんでもかんでも吸血鬼の仕業にするのは良くない。
「ごめん、たしかに考えなしだった。……悪いな、どうもここんところ頭がヘンになってるみたいだ。記憶があやふやっていうか、まともな考えが浮かばないっていうか」
はあ、と重苦しいため息をつく。
【アルクェイド】
「……ん、解ってくれたならいいけど……志貴、そんなに頭が痛いの?」
「あ———いや、痛くはないんだ。頭痛も貧血も起きないし、体は健康そのものだよ。むしろずっとこのままでいてほしいって思うぐらいだ」
「あ———いや、痛くはないんだ。頭痛も貧血も起きないし、体は健康そのものだよ。むしろずっとこのままでいてほしいって思うぐらいだ」
【アルクェイド】
「そう? なら問題なんてないよね、志貴が元気なんだから!」
嬉しそうに言うアルクェイド。
その笑顔を見ていると確かに問題はないように思えて、心のつかえがとれてくれた。
嬉しそうに言うアルクェイド。
その笑顔を見ていると確かに問題はないように思えて、心のつかえがとれてくれた。
そうしてアルクェイドと過ごして、屋敷に帰る時間になる。
また明日、と声をかけてアルクェイドのマンションを後にした。