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歌月十夜177

时间: 2019-11-29    进入日语论坛
核心提示:*s217□シエルの部屋訊きたいコト、なんて決まってる。目覚めた時からのしかかっていた違和感、あやふやで輪郭のない昨日の出来
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*s217

□シエルの部屋
————訊きたいコト、なんて決まってる。
目覚めた時からのしかかっていた違和感、あやふやで輪郭のない昨日の出来事。
そう、昨日のコトが思い出せないのなら、昨日の自分を知っている先輩に教えてもらうだけだ。
「———先輩。一つ、つまらない事を訊くんだけど」
【シエル】
「はい、なんですか遠野くん」
「その、昨日の俺って何してましたっけ?」
【シエル】
「——————はい?」
ぴたり、と凍りつく先輩の表情。
……なんかこの質問をする度、された相手は驚いている気がする。
「いや、別に深い意味じゃなくてですね、ちょっとした確認っていうか、その———」
【シエル】
「え———か、確認ってそんな、なに言うんですか遠野くんっ。そんな、改まって言われると照れちゃうじゃないですか……!」
————と。
先輩は顔を赤くしてきゃーきゃーと暴れ出した。
「……あの、先輩? だから昨日のコトなんだけど……」
【シエル】
「はい、楽しい一日でしたね。あんなふうに一日ずっと一緒にいられるのは中々ありませんから、すごく嬉しかったです。……えっと、ここに泊まってくれた後も優しかったし」
「——————————」
そ———そんなバカな、と言いかけた言葉を呑み込む。

……落ちつけ志貴。覚えてないんだから、ようするに昨日はそういう日だったんだ。
 だっていうのにここで“そんなの覚えてません”なんて言ったら、先輩はすぐさま法衣に着替えて剣を投げつけてきかねない。
【シエル】
「けど遠野くん、そんなコト訊いてくるなんてどうしたんですか? 何か言い忘れてる事があるとか?」
こっちの事情を知らず、先輩は無邪気に顔を覗き込んでくる。
「い、いえ、忘れてるコトなんて何一つありません。ありませんから、昨日の話はここまでにしましょう」
 強引に話を逸らして湯呑みを手に取る。
ずずーっ、と熱いお茶を一気に飲み干して、おかわりください、と先輩に湯呑みを差し出した。

□アパート
 そうしてシエル先輩とのゆったりとした夕方は過ぎていった。
屋敷に帰る時間になって、また明日、とおきまりの挨拶をして先輩のアパートを後にした。
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