□交差点
————それでも駆け出した足は止まらなかった。
————それでも駆け出した足は止まらなかった。
けたたましく響くブレーキ音。
路上を滑っていくダンプカー。
その前に。
びっくりして固まっている、小さな子猫の姿があった。
路上を滑っていくダンプカー。
その前に。
びっくりして固まっている、小さな子猫の姿があった。
「——————!」
必死に走り抜ける。
かたまっている子猫を抱き上げて、間近にまで迫ったダンプカーと衝突しようとする直前——�
かたまっている子猫を抱き上げて、間近にまで迫ったダンプカーと衝突しようとする直前——�
力のかぎり、アスファルトを蹴っていた。
ターン、と、ほれぼれするぐらいの跳躍だったと思う。
子猫を抱いたまま、ラグビー選手のように道の端っこにトライする。
そのまま視界がぐらぐら揺れた。
……何事も全力を出せばいいというわけではない。
ほれぼれするぐらいの跳躍は、勢いあまってブロック塀につっこむぐらい容赦なしだった。
しかも頭から、なんの受け身も取れないままで。
「志貴、なにやってるのよあなた……!」
怒っているようで慌てている、アルクェイドの声。
意識はこれまた容赦なく薄れていく。
ぬらり、と額に落ちていく血の感触。
「……………………」
ああ、こりゃあ何針か縫うのかなあ、と冷静に判断して、意識はそこで幕を下ろした。
怒っているようで慌てている、アルクェイドの声。
意識はこれまた容赦なく薄れていく。
ぬらり、と額に落ちていく血の感触。
「……………………」
ああ、こりゃあ何針か縫うのかなあ、と冷静に判断して、意識はそこで幕を下ろした。
ああ、そうそう。
受け身を取らなかった理由は、言うまでもなく子猫を抱いていたからである————
受け身を取らなかった理由は、言うまでもなく子猫を抱いていたからである————