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ぼくのコドモ時間04

时间: 2019-12-01    进入日语论坛
核心提示:あぶないからよしなさい!これは大人になってからの話なんですが、ボクは立入禁止になっているトンネルを、友だちといっしょに通
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あぶないからよしなさい!

これは大人になってからの話なんですが、ボクは立入禁止になっているトンネルを、友だちといっしょに通り抜けたことがあるんです。京都に遊びに行った時のことなんですけど、そこは「そすい」っていう川みたいなところで、ボクらはそこを探検してた。急な坂になってる登山電車の線路みたいなところを、昔は船が登ったり下りたりしていたっていう説明のカンバンがあって、ボクがそれを読んでたら、テルノブくんが、なんか川のほうに勝手に下りていった。
そうしたら、マツダくんも下りていったので、おもしろそうなので、つい、ボクも川のほうに下りたら、そこは川っていっても、自然の砂利とかあるような川じゃなくて、人工の川で、コンクリートの谷間みたいで、すごく変でおもしろかった。
それでテルノブくんが、
「あのトンネル抜けてみよう」と言って、ずんずん歩いて、中に入っていってしまった。ほかにもカッちゃんとかツトムとかいて、みんなトンネルのとこまで行ったけど、カッちゃんが、ここは水のトンネルだから、水が出たらあぶないからやめたほうがいい、と止めました。
<img src="img/04.jpg">
トンネルはまっ暗で、遠〜〜くのほうに、ポチンと小さく出口が見えてるだけで、遠いし、やめたほうがいい、と言って、カッちゃんとツトムは帰ってしまった。
テルノブくんとマツダくんは、笑いながらどんどん、奥まで歩いていくので、ボクもしかたないので歩いていった。トンネルは、大きい土管みたいに丸くなっていて、水が流れているので、とっても歩きづらい。
ずいぶん歩いてから、後ろを振り返ったら、入口が遠くなって、ちょっと心細くなってしまった。いまなら、まだ引き返したほうが近いな、と思ったけど、でも、それにしてもずいぶん歩いてきちゃったから、帰るのもシャクだしなァ、と思って口には出さなかったら、テルノブくんたちも、冗談とか言ってて、よけい言えなかった。
「あっ、このへんで、ちょうどまん中かな?」とテルノブくんが言ったので、振り返って見たら、出口と入口の光がちょうど同じ大きさになっていた。
「もう引き返しても、先進んでもいっしょだな」と言ったので、みんなで笑った。それから、みんな、ちょっと足が速くなって、ちょっと無口だったけど、そのうち、どんどん出口が大きく見えてきたので安心して、ついにトンネルを抜けたら、工事現場のオジさんに、
「だめだよ、そこ下りちゃ」と叱られました。テルノブくんが、
「まさか、トンネル抜けてきたと思ってないよね」と言ったので、またみんなで笑いました。
みたいなことだったワケです。トンネルの中で(大人のくせに)ボクはちょっと心細くなってたりしたんですが、その時に、そうだ、コドモのころってこんなだったなァ、って思い出したんでした。
コドモのころは、いろんなことが心細くて不安だったんだけど、それがどうも、おもしろかったんだなァ、と気がついたんです。ガスタンクの階段を、ずんずん、ずんずん上へ上がっていった時も、とってもこわかった。こわかったけれども、薄く夕焼けの始まった景色が、とってもキレイでした。
家へ帰ってきて、ボクは、この話はしないでおきましたね。これは黙っていたほうがよさそうだと思ったんです。そう思いながら、鉄の階段から下界を見た時の手にかいた汗を、もう一度|かきなおし《ヽヽヽヽヽ》たりしていたんでした。
チンドン屋さんにくっついていって、迷子になってしまったこともあった。その日は雨が降ってたんですが、家で一番大きな�大人用�のこうもり傘をさして、ずっとあとをついていったんでした。雨降りですから、さすがについてくるのはボクだけなんですね。
チンドン屋さんも、本当はやめたかったでしょうが、仕事ですからしかたない。雨の日は早めに夕方が来てしまう。ボクはビラ配りのおじさんに、ビラを少し分けてもらって、配ったりしておもしろかったんですが、突然、そのおじさんに、
「ボーヤ、もう帰らないと、迷子になっちゃうよ」と言われて、その場に立ちすくんじゃったんでした。そのあと、どうしたのか、記憶がとり出せないんですね。そこで泣き出しちゃったのか、迷いながらなんとか帰ってきたのか、いっさい、記憶がない。チンドンとクラリネットの音が、肩から下げた大きいポスターをゆらしながらねり歩いていく、おじさんの後ろ姿といっしょに思い出せたような気もするけど、それがホントの記憶なのかどうか、ハッキリしません。心細かったろうなァ、と思いますね、ビラの束をもらったまんま、そこに立ってたボクは。
この時のことも、ボクはきっと�報告�してなかったと思うんですよ。ボクがこの時のことを覚えているのは、その後何度か、この時のことが話題になったからだと思うんですが、それはボクの�報告�によってではなくて、姉チカコの話がモトになってるからなんです。
「ノブヒロったら、雨が降ってんのにチンドン屋のあとくっついてってんだもん、あたし恥ずかしかった。カツヤマ先生が、授業中さ、あのチンドン屋のあとついてんの、南の弟じゃないか? あの顔の大《おつ》きい子……って言って、見たらノブヒロなんだもん。ノブヒロ一人だけよ、誰もいないのに」
そうか。ということは、自力で帰ってきたんだろうな。そうしてドキドキしていたもんだから、きっと黙っていたんだろう。
黙って、あぶないことや、こわい思いや、不安にかられる心細い思いや、を、コドモ時間にボクはくり返していたんだと思う。石垣をよじ登り、線路際のガケを渡り、すべり落ちたり、転んだり、木登りをして下りられなくなってとほうにくれたり、していたのだと思う。
そうして、そういう危機を自分なりにのりこえた、というか、しのいだ、くぐりぬけたっていう充実感が、こわさが薄らぐころにふくらんでいったのかもしれないな、とボクは思う。
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