日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

笑う茶碗19

时间: 2019-12-05    进入日语论坛
核心提示:初めての断髪式国技館に異様なメンバーが揃っていた。いとうせいこう、泉麻人、安西肇、えのきどいちろう、山田五郎、松尾貴司、
(单词翻译:双击或拖选)
初めての断髪式

国技館に異様なメンバーが揃っていた。いとうせいこう、泉麻人、安西肇、えのきどいちろう、山田五郎、松尾貴司、ナンシー関、しりあがり寿、久本雅美、柴田理恵。
一人一人が異様というのじゃない。ここが国技館で、これから元・前頭筆頭の敷島関の断髪式が行われようとする、その会場だから異様なのだった。
そこだけ浮いている。
「いま、特攻旅客機が突っ込んできたら、日本のサブカルチャー壊滅だね」
とだれかがいった。
「これでタモリさんがいれば、タモリ倶楽部一〇本分、撮り溜め出来る」
という人もいた。
たしかに、タモリ倶楽部によく出てる顔がズラリだ。
スカパラもいる、スチャダラパーのアニ、ボーズもいる。朝倉世界一もいる。しかし、なんという名前だろう。有限会社さるやまハゲの助・しりあがり寿って、名前が世間をなめきってる。
私より、ひとまわり年代の若い、このへんの人達って、ふざけてていいなァ、こうしてダークスーツや礼服着て、こういう、ふざけた陽気な名前の人々があつまってるっていうのは、とってもたのしい。
みんな、敷島のトモダチなのだった。敷島がおすもうさんには珍しいシブイ趣味で、ワハハ本舗の芝居やスカパラやスチャダラパーのコンサートに足を運んでるうち、トモダチになったらしい。
私は、えのきどいちろうさんの、仲人ということで、おミソみたいに仲間に入れてもらってる。
おすもうさんのトモダチになれた時はすごくカンゲキした。なんといっても、おすもうさんというのはトクベツだ。
トモダチになったおかげで、敷島関には、曙や武蔵丸や琴錦や千代大海を、支度部屋で、すぐそばで見せてもらった。
だけでなく、並んで写真も撮ってもらった。カンゲキした。
以後、東京で場所があると、かならず四人で出かけて、叫んだ。
「シ、キ、シ、マあああ」
何回も大声で叫んで、場内がいぶかるくらいなのだ。敷島は、すごくいいヤツなのだが、みんなはそれをよく知らないのでいぶかるのだった。
いいヤツなだけじゃなく、敷島は横綱・貴乃花に二場所連続で勝つくらいに強かった。強いだけじゃなく、コメントがおもしろいので記者たちには「コメント横綱」と呼ばれていたのである。初めて貴乃花に勝った時、
「勝っっっチャッタア」
といった。コメントがおもしろいのは頭がよくてセンスがいいからだ。ワレワレは敷島のファンだった。
ワレワレは、冒頭にあげた、サブカル勢だ。こんなに偏向したファン層を持つおすもうさんも少ないだろう。
みんな敷島の断髪式にやってきた。むろん、敷島のファンだからだが、断髪式なんて、そうそうできるイベントじゃない、こない手はない。
なんてったって、ほんもののおすもうさんの断髪式なのである。
「あれ、ほんとに切っちゃっちゃダメらしいよ。形だけにしないと、何百人に切らすんだから」
「いや、俺が聞いたんでは、ちゃんと切ったってよ」
「どのへん?」
「マゲはダメなんだよな、あれは親方が切ることになってるから」
「順番どうすんのよ?」
「後援会のエライ人が済んでから、アイウエオ順」
「ってことは、朝倉世界一か」
「泉さん、いとうさん……アッ、えのきどさんも、もう用意しといたほうがいいんじゃないの」
「おじぎは何回かな」
「日本人の大人として、恥ずかしくない程度の常識をはたらかしてだな」
「俵はふむなよ」
「キンチョーするなァ」
「笛の試験みたいだなァ」
「お焼香にも似てる」
「常識が試されるね」
「どこ? どのへん切るの?」
とかいってるうちに、断髪式はトントンと推移していく。
アイウエオ順に名前が呼び出されるけれども、次々に読み上げられるので、土俵上にあって、一礼、二礼、金色のハサミを行司さんにわたされて、マゲの下、タボのあたりにハサミを入れて、土俵上のじゅうたんにそってハケてく人と、名前とが同調しない。
アイウエオ順だから、見当をつけて、土俵下にスタンバってればいいのでそんなにあわてることはないのだナとわかった頃に、どんどん自分の番が近づいてくる。
みんな、ちゃんと常識人として、とどこおりなくやれてるみたいだ。
ハサミを入れ終ると、正面を向いたなりの関取の肩にふれて一言二言、ふつうは何かいうものらしい。
私は結局、キンチョーしてたらしくて、ねぎらいの言葉をかけるのをわすれてしまった。そのかわり髪は一センチくらいの束をバッチリ切った。よ、よかったのかな?
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%