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笑う茶碗20

时间: 2019-12-05    进入日语论坛
核心提示:流星観測流星を見ると、たいがいの人は「オーッ」と言うのである。「オオオーッ」とか「オッ」とかも言う。流星には人をしてオー
(单词翻译:双击或拖选)
流星観測

流星を見ると、たいがいの人は「オーッ」と言うのである。
「オオオーッ」とか「オッ」とかも言う。流星には人をしてオーと言わせるなにかがあるんでしょうね。みんな言い合わしたように言います。
遠くで「オーッ」という声がするんですよ、周りは真っ暗、満天の星です。我々、私とツマと、大島の友人夫婦四人は、寝袋に入り、毛布にくるまって屋上に寝転んでいる。
我々は、しし座流星群を観測するんで、わざわざ大島までやってきた。観測といっても、ただ見るだけです。別に流星の突入方向を記録したり、出現時刻を書き入れたりしない。
ただ「オーッ」とか言うだけ。しかしたんびに言う。言うと決めたわけじゃないがつい言っちゃうから言う。
はじめは、この大島でいま流星をこんなふうにして見てるのは我々だけだと思ってたんですよ。
それくらいあたりは真っ暗だし、静かだった。ところがどうもそうじゃない。同じようにオーオー言ってる連中がいたんでした。
ただ、その連中のオーが、ぜんぜんとんでもない時におこるんで、はじめはなんのことやら、わからなかった。
きっとかなり我々と隔たったところにいたんですね。音波は一秒間に三四〇メートル、つまり三四〇メートル先でオーと叫べば、一秒後に聴こえる理屈です。
音の遅れの感じからいうと連中のいるのは六〇〇〜七〇〇メートルは先のようでした。
我々のいる屋上は、プチホテルっていうか、まァ民宿で、その宿を紹介してくれたT君夫婦もやってきたという寸法。
天体観測っていうのは、存外冷えるもので、これは過去二回の「しし座流星群観測」の経験で、我々の防寒対策は、いやが上にも重装備になってる。
自衛隊御用達の発熱ソックス、登山用ヘビーデューティーももひき、フリースの上下に、防寒パンツ、その上ダウンジャケットを着た格好でシュラフに入り、毛糸の帽子をかぶって、マスクをする。
宿の奥さん(この人もT君の友人)が、一緒に自分も見ようと思って屋上まで上がってきたけど、四人の異様な姿にギョッとして逃げるように階下に降りていってしまった。こっちはそんなにヘンと思っていなかったけど、モコモコなものが暗いなかにゴロゴロいる様子は、かなりキミワリイものだったらしい。
幸い空は終始快晴、流星も今年は当り年で、次々に派手な明るいのがビュンビュン飛んだ。T君夫婦は流星観測は初めてということで、当り年でよかったよかった。
初めてで、こんなに見られるなんて、二人はものすごく幸運だ、と言って何度もハゲましたのだった。実はT君のところへは、明日から税務署がやってきてエラく細かい調査をされるというのだ。
友人T君は、大島の酒造家、むぎ焼酎といも焼酎を作っている。酒税の関係は調査が細かくヤッカイらしい。正直にやっていても、税務署というのは気が重い。
しし座流星群は、この三年ばかりが同じ頃に見えたのだが、今回がいちばん派手に飛んだ。これが初体験だったら、我々もこんなもんかと思うだろうが、たいがいいつもはもっと地味なのである。
大成功のうちに観測会は終って、翌日は、大島の温泉でゆっくり、っていうスケジュール。
町営の温泉に開けハナに出かけてゆっくりつかった。窓から椿林や山が見えて、午後の日が長く差し込んでいる。ぬるいお湯なのでほんとにじっくりのんびりできる。
風呂上がりにビールを呑んでいると島の人に話しかけられる。
T君の友人だと言うと、
「あそこの焼酎は、近頃、島の外で評判になったとかで、昔から呑んでた一升瓶入りの安いのが手に入りにくくなった」
と友人である私に苦情を言う。T君一人で醸造してるのを知っているから「あすこは一人で大変なんですよ、作れる量は限られてるから……」とか、言い訳みたいに言っていたら、後で聞くと、私達は島に流れてきて、T君のところで働いてる夫婦者と思われていたらしい。
島には、観光以外で人が入れば、すぐそれとわかってしまう。島民同士は顔を見知っているので、ヨソ者がすぐわかる。
我々が島内を散歩していたのも、島民から見ると異様なことらしい。島の人は、今はどこへ行くのでも車に乗っていく。
徒歩で移動してる人は「ちょっと変わった人」なのだそうだ。T君は、『散歩の達人』という雑誌に連載を持っているような人だから、つまり島では大いに変人で通っているらしかった。
そこにさらに夫婦ものの変人が流れてきたわけだ。もし「大島あんこ椿いでゆ殺人事件」が起きたら、目撃者がたちどころに、すべての立ち回り先を証言できるかもしれない。
海をみながらタバコを喫っていると、異常にゆっくりと車が通っていった。我々を監視してるのかと思ったら、それは車に乗ったまま犬を散歩させているのだった。
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