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笑う茶碗23

时间: 2019-12-05    进入日语论坛
核心提示:うぐいす鳴いた「パチン!」と、いきなりTVのスイッチを切った者がいる。私は口がとんがってしまった。「なんだよおー」と思っ
(单词翻译:双击或拖选)
うぐいす鳴いた

「パチン!」
と、いきなりTVのスイッチを切った者がいる。私は口がとんがってしまった。
「なんだよおー」と思ったのだ。朝一〇時頃だったろうか。
別に大して面白いところじゃなかった、そんなに一生懸命見ていたわけでもない。しかし、何の断わりもなしに、ひとが見てるTVをいきなり消すのは
「如何なものか?」
それで私は声を大にして言ったのである。
「イカガナモノカ!!」
ツマが(TVを勝手に消したのはこの者である。我が家には私と、この者しかいない)、それを制して、
「シィーッ」と言った。口に人差し指まで持ってきている。
こうされると人間というのは静かにしてしまうものだ。
「…………」
ちょっと黙ったけれども、気持は片づいていないから、また、抗議を始めようとした時である。
「……ケキョ」といった。
「聞こえた?」と声を出さずにツマが言ってる。そうしてさらに、
「ホーホ……ケキョ」と、たしかにクッキリそう鳴いた。
「え?」
「うぐいす?!」
と二人で言った。だよなァ、いまの声は、ホーホケキョだから……。
大塚を東京の真ん中、というのはおこがましい。けれども一応、山手線の内側である。
うぐいすが鳴くなんて、そんなノドカな、高尚な場所じゃない。大塚に住んで七年になるけれども、うぐいすの声を聞いたのは初めてだ。
我々は、ベランダ側にあけられたガラス戸から、耳だけ外へ出すような姿勢で、しばらくじっとした。
ベランダに出なかったのは、うぐいすの声があんまり近くに聞こえたので、ヘタにバタバタ動くと気配を察したうぐいすが逃げてしまうと思ったからだ。
けっきょく、うぐいすは、もう一声も鳴かないのだった。ベランダに出て、あちこちチェックしてみたがうぐいすはいなかった。
もう、どこかへ飛び去ってしまったようだった。
「そうか、うぐいすが鳴いたか」と私はしみじみ言った。
うぐいすが鳴くと、ここいらも、なんだか緑の深い山の中のようだよなァ。
「いいねえ、うぐいす、また鳴かないかな」
と私は言った。ツマもそう思っていたのだろう。最初は耳を疑って、それでTVの音も消してみたのだ。そうしたら、ホントにうぐいすが、ものすごくそばで鳴いていて、それから、パタリと黙ったと思うと、どことも知れず飛び去ってしまったのだった。
うぐいすの生態を知らないけれども、うぐいすは大塚に何用あって来ただろうか?
近所の緑といえば護国寺か小石川植物園だが、いかに緑のある所だって、うぐいすは、そうめったにいるもんじゃない。たとえば、新宿御苑や、神宮にうぐいすはいただろうか? そんな話聞いたことないぞ。
「でも大塚には娘義太夫もいるからなァ」
とツマが唐突に言った。知り合いのウチダさんのダンナは、わざわざ義太夫のおけいこつけてもらいに、大塚に来てるんだよ。お師匠さんはもう九十ちかいおばあちゃんだって。
「うん、それは聞いた」と私は言った。それとうぐいすとの関係は? と言外に聞いているわけだ。義太夫とうぐいす、がどうしたって?!
「だからさあ」
とツマが言った。うぐいすのお師匠さんてのが、大塚にいるワケよ。で、ハイ、ホーーオ、って、今日はホーオのところまでおけいこしましょ。ハイ、ホーーオって。
「おけいこに来てんのよ、どっかから」
で、本人はホーだけじゃなく、ホーホケキョまで鳴いてみたいからさ。それで帰りがけ、ホーオのおさらいのついでにホケキョもやってみた。で、意外にうまくいかなかったもんで、きまり悪くて、バァーッと飛ぶように逃げてったんじゃない?
「う〜ん、オレが思うにはねえ」
と私は言った。どうもアイツはうぐいすじゃないと見る。
「うぐいすじゃないというと?」
「うん、うぐいすのマネをするヤツだ」
「猫八とか?」
「いや、猫じゃなく、鳥」
「オウムとか?」
惜しい! 九官鳥とか? 惜しい! 何、何?
カラスだよ、カラスが今、知恵をめぐらしてるんだよ、自分たちがどうやら目の敵にされてるのに気がついたんだな。
まだ少数派なんだけどね。で、いろいろ試行錯誤してるところなの。
「カッコー」とかさ「ゴロスケホーホー」とかさ「テッペンカケタカ」とかさ、いろいろやってみて、どうも「ホーホケキョ」に都民が弱い、というのに気がついたね。
図星だよね、こうやってさっきから、オレたちずっと、うぐいすの話してんじゃない。あと二年もしたら東京中のカラス、「ホーホケキョ」って鳴いてると思うな。オレはそう見た。
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