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愛してると言わせて42

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:エステがはやる理由ある日、高級エステティックサロンから招待状が届いた。それは都心のビルの中にオープンしたばかりの店で、大
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エステがはやる理由

ある日、高級エステティックサロンから招待状が届いた。それは都心のビルの中にオープンしたばかりの店で、大手の大衆的エステではない。招待状には顔と背中、脚などの手入れのスペシャルコースに無料で一回ご招待すると書いてあり、所要時間は一三〇分、正規に支払えば一回三万円である。
二時間以上もかけて、プロの手でゆっくりと手入れをしてもらうのは最高であろうが、無料だからといって出かけていくのはいかにもせこい。野暮である。私は全く行く気はなかった。
するとしばらくたったある日、女友達から電話が来た。彼女は女性誌の編集者である。
「ね、高級エステの招待状、届いたでしょ?」
電話を取るや、彼女はそう言った。
「届いたわよ。あれ、誰にでも配られてるんでしょ」
「違うわよ。私がちゃんと広報の人に言って、アナタと私のところにも特別に送るようにしてもらったんだから」
「え? そんなスゴイものだったんだ」
「そうよ。ね。行ってみようよ」
「でも何かタダに乗るのって、野暮じゃない?」
「そんなことに野暮も粋もないわよ。アナタってホント、変なとこ見栄っぱりよね。一回招待するから、それでよければ自分でお金を出して通って欲しいってのが、お店の望むとこなのよ。あっちだってビジネスよ。行こ行こ」
それもそうだと思い、私は彼女と二人で、ある土曜日、出かけたのである。予約は前もって彼女が入れておいてくれた。本当に私の女友達は心強い。
エステなんていくら高級でもすぐにガウンに着替えるんだし……と思い、私は着古したアロハにジーンズをはき、裸足にスニーカーで愛車のハンドルを握った。顔もすぐにクレンジングされるんだからとノーメイクの洗いっぱなし。まあ、さすがにこのトシになるとノーメイクは少々恥しく、サングラスでボロかくしをして出かけたのである。むろん、友達もTシャツにスパッツ、ノーメイクで現われた。
が、これは失敗だった。一歩店内に足を踏み入れるや、「ここは高級だったんだ……」と、私と友達は同時に冷汗をかいた。客はすべて美しくメイクして来ており、服もさり気ないが、いかにもお金のかかっているような女たちばかり。またエステティシャンたちが、みんな上品で美しいときている。
「お待ち申し上げておりました。どうぞ、ごゆっくりおくつろぎ下さいませ」
などと言うのである。どっちを向いても裸足にスニーカーもいなければ、Tシャツにスパッツもいない。私は友達と囁《ささや》きあった。
「マズったね。高級だってこと忘れてたわ」
「ん。急いでガウンに着替えちゃお」
ところが、美しく上品なエステティシャンは言った。
「それではガウンにお着替え頂く前に、店内をご案内申し上げます」
ああ、裸足にスニーカー、Tシャツにスパッツの私たちは店内を一巡させられたのである。さすが「高級」だけあって、その間に若い女の子とはほとんどすれ違わない。三十代から五十代の女たちが多い。彼女たちはもちろん普段着なのだが、着こなしもメイクも手を抜いていないのがわかる。常日頃から手を抜かない姿勢が、女に自信と美しさを与えるのだと、私は改めて感心していた。
それから個室に入り、エステティシャンが至れり尽くせりで手入れをしてくれる。東洋医学のツボを取り入れたマッサージやら、高級美容液をふんだんに使ったパックやら、それはもう眠ってしまうほど気持がいい。
私はごく普通レベルのエステサロンには時々行く。その理由はただひとつで、気持がいいからである。自分で肩をもんでも気持がよくないのと同じで、他人の手で手入れをされると本当に気持がいい。店では当然「やせるため」や「若返るため」のコースもすすめる。が、それは私は一切やらない。それらは機械を使って体に圧力を加えたりして、とても気持よさそうには見えないのである。「やせる」にはスポーツが一番だし、「若返る」ことにこだわりすぎるのは物欲し気でいけねえ。
気持のよさと贅沢《ぜいたく》感だけを考えた時、その高級店はさすがであった。まるで魔法の指を持っているのかと思うほどの、ここちよいマッサージである。贅沢な気分にひたれることも加えると、一三〇分の三万円は高くないかもしれないと思わされていた。
終わってから休憩サロンに行くと、先に終了していた友達が、ガウンのままボーッとしている。私を見るとボーッとしたまま言った。
「気持よかったわねえ……。何かまだ半分眠っているわ。だけど悪い癖がつきそう。週に一回、ここに通わなければ生きていけない体になったらどうしよう……。月一二万で、年に一四四万になるのよねえ……」
ボーッとしている割には計算が早い女である。彼女はリクライニングシートの椅子に身を埋ずめ、ボーッとしてまた言った。
「何か、こういう高級店に出入りできる自分というのに酔っちゃうわ……」
「あら、でもこの招待状、もらいものじゃないの」
私が言うと、彼女は突然、起きあがった。
「もう! 現実に引き戻さないでよ。せっかく忘れてたのに」
エステがはやる理由がよくわかる。
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