阿蘇から別府へ向けて、車で移動していたら、あるみやげもの屋の店先に沢山動物が動いているのが見えた。思わず車を停めて近づくと、それは五匹のたぬきと、二匹の「てん」だった。
たぬきのうち二匹はおりの中にいて、「かみつく」「あぶない」などと札がかかっていたが、あとの三匹は鎖につながれているだけだったので、頭をなでたりしてみた。指を少しかんだりするが、よくなれているみたい。てんのほうは、おりに「きけん」と札がかかっていた。
お店の中に入り薬草の袋詰めなどを買って、話を聞いた。
「最初は野生のつがいを飼っていたんですよ。そしたらどんどんふえてね、もう四代目」
恋愛の時期になると、わなをかけておいて、相手を捕まえてきてやるのだそうだ。それからしばらく、同じおりに入れて様子を見るという。おりの中の二匹は恋愛試験中だったのだ。
不思議な恋愛ではあるけど「たぬきの子どもが可愛くてねえ」の一言に、なるほどなあと思った私でした。