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私の部屋に水がある理由48

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:ゲーある小説誌で、ある男性タレントと対談したときのこと。そのかたとの話はとても楽しかったのだが、その中でSさんという別の
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ゲー

ある小説誌で、ある男性タレントと対談したときのこと。そのかたとの話はとても楽しかったのだが、その中でSさんという別の人の話になった。
実は私はそのSさんの顔も名前も知らなかったのだが、話がおもしろいので笑って聞いていた。うしろから人の名前を呼んで、そっちを向くとほっぺたに人さし指がささるというやつがあるが、Sさんはそれをなんと指でなくて陰茎を出して仕掛けてきたのだという。
「それをやるためにはさ、堅くしとかなきゃ出来ないわけだよ。そういう準備をしてまでやる、そんな人なんだよ」
「すごいですねえ」
と笑っていると、対談の担当者である編集長が、
「内田さん、そんなことやられたら、どうしますか」
と私に聞いてきた。いくら冗談がきつい人でも、女に向かってそんなことをするわけはないのだが、私はついまじめに、
「私ですか……もし私だったら取り乱してしまうと思いますね。正気でいられる自信はないです」
と答えた。するとその編集長はニタニタ笑いながら、
「取り乱しておもわずくわえちゃったりして」
と言った。対談相手の人は紳士なので笑わなかったが、私もそれに対して何も答えないようにし、聞かなかったことにした。
もうひとつ、こちらはテレビ局のやはり、えらい人。
どういうきっかけでそんな話になったかはわからないのだが、その人はタンの話をしていた。
私は、以前私の会社の人間が入院した時のことを思い出していた。尿道結石が痛みだして急に入院することになったので、病室がなく、重病患者用の病室に入ったのだ。
「そういえば、タンなんてもののことを、ちゃんと考えてみたことなかったんですけど」
のどの奥がヒュウヒュウと鳴っているおばあさんや、掃除機のようなものをのどに入れてタンを吸い出してもらっているおじいさんの姿が頭に浮かんだ。
「寝たきりの病気なんかになると、タンって自分でははき出せないんですねえ。キカイ入れて吸い出したりしてねえ。たまってくると声がひどくしゃがれたり、のどがヒュウヒュウいったりして、私……」
そこまで言うと、その人はうれしそうに、
「吸ってあげたくなった?」
と言って、クックックッと笑ったのだった。やはり、だれも笑わなかった。
 私は、別に道徳的なことを言おうとしているのではない。こういうふうなことを言って、それで笑わせたつもりでいる人って、やっぱり想像力のない人なんだろうなあと思うだけ。
だって、人並みの想像力があれば、どっちの場合も、言われたとたんに「ゲー」となってしまうことぐらいわかるはずでしょう。それなのに、その人たちがテレビ局のえらい人だったり、小説誌の編集長だったりと、ものをつくる立場の人なのが、不思議。テレビ局の人のときは、仕事が終わったあとの時間でもあり、目くじら立てるほどではないけど、編集長のほうなんて、対談中だし、なんでそんなこと言うのかしら。もしかしたら、わざと、私を怒らせようとしていたのかなあ。
これについて、私は答えを二つ考えた。一つは、この人たちは、きっと子供のころ、食事中に「うんこ」などと言って、友だちから笑いを取っていたのだろう。そして、それで友だちが笑ったのがうれしくて、自分がいい大人になったことや、相手が女であることも忘れて、同じことを続けている。それに対して忠告してくれるほど親しい友人もいなかったのであろう。
二つめは、私の顔は、自分では気づかないが、人が見ると、だれかれかまわず陰茎にしゃぶりついたり、タンを吸ってあげたりしそうな顔であり、正直な人は、ついそれを冗談にしてしまいたくなるのであろう。
この二つであるが、もちろん私自身は前者であることを祈っている。しかし私は心が広いので、ご判断は読者のみなさんにおまかせいたします。
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