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私の部屋に水がある理由58

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:鳥 取 砂 丘砂丘に降り立った私の最初の感想はこうだった。「なんだ、九十九里浜の勝ちじゃん」私は勘ちがいをしていたのだ。地
(单词翻译:双击或拖选)
鳥 取 砂 丘

砂丘に降り立った私の最初の感想はこうだった。
「なんだ、九十九里浜の勝ちじゃん」
私は勘ちがいをしていたのだ。地理で習った「砂漠」のようなものだと思っていた。なので、まずその「砂漠」が海辺にあるのが不思議だった。
「おかしいなー。水と縁がないから、砂漠になるんではないのか」
そのうち、そうか、砂浜のでっかい奴なのねと勝手に判断してしまう。そして、最初の感想になるわけだが、しゃがんで触れてみると、砂の質が九十九里浜とは全く違う。確かに九十九里浜の方が広い。広いけど……。おおっ、あの砂山はなんだっ!
それでやっと気づいた。砂の量が、並大抵ではないのだ。遠くを歩く人影も、砂丘をのぼったり降りたり、または砂山の後ろへまわって見えなくなったりしている。それによく考えたら、九十九里浜の広さは、海岸に向かって、横の広さだ。この砂丘は、海岸までの距離、つまり縦が長い。足跡が多いのは砂丘の入り口から二百メートルくらいまでで、その先を歩いていった人々は少ない。つまり、団体の観光客らが、
「わあーここが砂丘よ」
「広いわねえ」
「広い広い」
などと言いながら少し歩き、
「あそこから海ね」
と一応砂丘の終わりを見たあたりから、
「ああ広かった」
と満足して帰って行っているのだろう。しかし、それは勿体無い楽しみかただ。海へ向かって歩くほどに、砂丘の不思議は増してくる。
「らくだが欲しいね」
連れの者は、そんな冗談を言っている。
人の足跡が減ってきたあたりから、鳥の足跡を見かけるようになる。鳥の足跡は、途中で消えているところが、あたりまえなのだがすごい。振り返って自分の足跡を見ると、足くせがよく出ていて笑ってしまう。
もう少し行くと、長さ三十メートルほどの細長く浅い水たまりにぶつかった。
「わーい、オアシスオアシス」
水たまりの周りには細長い葉を持つ植物がうれしそうに生えている。なめてみると、オアシスの水は真水であった。
オアシスの後ろには、今まで見た中で最も大きな砂山が、急ながけをつくっていた(砂でできたものもがけと呼んでもいいならの話であるが……)。勾配は三十度くらい、高さ七、八十メートルはあるだろうか。登って行った人の足跡も、少しついている。
「さあ今度はこれを登るんだっ」
というと、連れの者は、
「うそ。冗談やめてよ」
私だって、これが砂じゃなければ登ろうなんて思うもんか。しかし、砂ゆえに、一歩登ってもそのうち半歩分くらいは足が沈んですべってしまう。ちっとも前に進まないので、カメラをポケットにしまって両手も使うことにした。少したって下を見ると、
「高い」
急にこわくなってきた。果たしてここは、登ったりしても大丈夫なものなんだろうか。実は砂なのは外側だけで、中身はからっぽで急にこわれたりするんではなかろうか。または、表面がなだれのように落ちてしまったりするのではないか。砂だからもしころんでも痛くないと思っていたが、見降ろすと、やはりけっこう急なのだ。すでに靴の中は砂だらけである。連れの者はつきあって下から登ってくるし、ここで戻るわけにはいかない。第一降りる方がこわい。しかし登り切ったところが、また急ながけだったらどうしよう。頂上がすぐそこだというのに、ますます登るたびに手足が埋まるような気がする。砂つぶがたいへん細かいのである。色は黄色っぽくて、さらさらしている。風がつくるという独特な模様も、この砂質ゆえであろう。アリ地獄に落ちたアリの気持ちがわかるような気がする。私は、なるべく自分がへばりついているこの巨大なものがただの砂のかたまりだということを忘れて登り、やっと頂上にたどりついた。
心配することはなかった。頂上から向こうは、海までのなだらかな広場だった。海からの風が、オアシスを囲むように砂を吹きつけているのだろう。
「海が見えるよー!」
砂丘の中ではいちばん高い所に登ったので、さっきまで姿が見えなかったほかの砂山たちも見わたせる。それと同時にあらためて恐ろしいほどの砂の量を感じ、うなってしまう。
「なんでまたこんなに砂があるのだろう」
こうして疑問は原点に返るのであった。
しかし疲れた。
「『砂丘フレンド』で、お茶でも飲もう」
砂丘フレンドとは、砂丘の入り口前にあったみやげ店兼休憩所のビルの名前である。戻ろうとして、入り口付近の「らくだと一緒に記念撮影」の料金表の看板に驚く。
「ほんとにらくだがいるんだー!」
「だからさっき言ったじゃない」
「冗談だと思ってた」
らくだと一緒に砂丘を回ることはできないようだが、その役をやってくれる馬はいると看板は言っている。しかし、まだ朝が早すぎて、らくだたちは出勤していないのであった。
『砂丘フレンド』には砂丘せんべい、砂丘まんじゅうなど食べるとジャリジャリしそうな名菓が沢山あった。私は、長芋が一本丸ごと中を貫通している『長芋かまぼこ』、『たこの塩辛』、干物、『因幡《いなば》の白うさぎ最中』などを買った。
車に戻ると、ちょうどバスで観光客の団体が着いていた。着くなり、全員で同じ方向へ歩き出すので不思議に思って見ていると、その先には記念写真のための長い二段ベンチがあるのだった。そこで、まず記念写真を撮ってから、安心して観光するのだろう。時計を見ると午前八時を過ぎていた。そろそろらくだも出勤の準備をしているのかもしれない。
鳥取城跡とその周辺を見て歩いたあと、温泉旅館「丸茂」で一泊。いい旅館だった。
翌朝は漁港をうろつく。
「スルメの一日干しあるよ」
と声をかけられ、つい買ってしまう。イカって一日干すと、もうスルメになるのかと思ったが、実はスルメイカの略なのであった。
水族館はないかと捜していたら、富浦自然科学館というのがあった。客は私たちだけだったが、係員の女性が、
「上映スイッチ入れましたから」
と声をかけに来てくれる。古くさい学習映画でもかかるのだろうとしぶしぶ上映室に入ると、自動的にカーテンが閉まっちゃったりするではないか。映画の方も、六台の映写機がコンピューターで動くというもので、驚いてしまった。六台がそれぞれ出す画面が、大きな一画面になっても継ぎ目が出ないようになっているのだった。
映画は、山陰の自然についてのもので、幸運なことに砂丘のなぞを私たちに教えてくれた。あの砂は、日本海の荒波と風に砕かれた海辺の岩々の成れの果てなのであった。それがあそこに次々と打ち上げられて、あの砂丘が形成された。どうりで、砂質が九十九里浜とは違うわけである。防いでも防いでも打ち上げられ飛ばされてくる砂と、地元の人々との間には永い永い闘いがあったのだった。あれは、単に巨大な砂場ではなく、ゆっくりだが確実に襲いかかってくる砂の津波だったのだ。
しかし話は違うがスルメではなかったスルメイカをどうしよう。一日しかもたないという。困っていたら、偶然通りかかった「猿尾滝」の横にバーベキュー用の鉄網が転がっていたので、そこで焼いて喰うことにした。当時の殿さまがそうめん流しを楽しんだというその流れの横で、新聞紙の上に乗せた焼きイカをちぎりつつ、缶ウーロン茶で宴会して私たちは帰ってきたのだった。
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