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私の部屋に水がある理由63

时间: 2019-12-07    进入日语论坛
核心提示:男子社員のこと子供のとき私は、なんで女なんかに生まれたのだろうと思っていた。女に生まれたことをすごく損だと思っていた。し
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男子社員のこと

子供のとき私は、なんで女なんかに生まれたのだろうと思っていた。女に生まれたことをすごく損だと思っていた。しかしそんなことを生まれて来てから悔やんでも仕方がない。それでどうも今度は、
「私、結婚なんかしたくない」
と言ったりするような子供になったらしい。何故、「どうも……らしい」かというと、自分ではそれを口に出していった覚えがあんまり無いからだ。一度くらいは言ったかもしれないし、結婚ていうものがそれほど素敵なものではないことぐらい母を見てわかってはいたが、それほど強く思っていたわけではない。だいいちまだ子供だし。
今思うに、「女は損」も「結婚なんて」もどちらも、他でもない母の思想だったのだ。子供の私は最初は知らずにそれを自分で考えたことだと思いこんでいたが、「結婚なんて」の頃から、あれ、あたしそんなこと言ったかなあ、まあ言ったんだろうというぼんやりした自覚をもつ程度には、自分の考えができていたということなのだろう。
母には私を、結婚に夢を持つような女に育てたくなかったわけがある。それは、母子家庭で子供が二人とも女だったため、見込みのありそうなほう(つまり私)を良い大学へやって安定した職業につかせたかったのである。
母の目論見は見事に外れたわけだが、母はなんでまたそんなに「女は損」だと思っていたのだろうか。結婚うんぬんの話も、つまりは「結婚するとますます女のほうが損」と思っていたからだろう。確かに母の結婚は損な結婚だったのかもしれない。良いと思った人が駄目な人だったということはある。しかし、あっこりゃ人選を誤ったと思ったら、さっさとやり直せばいいではないか、と私は思うのである。結婚してすぐ離婚した友人を責めたりする人もいるが、よっぽど計画性のない場合はともかく、会うたび結婚生活の愚痴を聞かされるうっとうしさがながく続くよりも私はいいと思う。母の場合なんて、さんざん騙し騙し結論を引き延ばすだけ引き延ばしておいて、離婚したあとまでも、
「あんな人でも私は九年も我慢したのよ」
などと自慢する始末で、話にならない。なんでまたそんなことを自慢の種にできるのか、子供心にも不思議であった。
する必要のない我慢をしつづければ、どんどん損なほうへ行くのは当然のことだ。つきあっている男との間が、どうもすっきりしないと思ったら、お互いにする必要のない我慢をしていないかどうか、考えてみるといいと思う。
女だから損をするということがあるならば、それはどんな場面を言うのだろう。無計画な妊娠などはそれに当てはまるのかしら。それもまた間柄によっては難しいところであろう。例えば女のほうが内心結婚したがっていて、男のほうはそれほどそう思っていない場合の妊娠なら、たとえ表面は無計画でも、女のほうが損だと大きな声では言えないであろう。男女とも無自覚なうちに妊娠してしまったのなら、相手の男を責めるよりあの間抜けで手落ちな性教育を。うーん、きりがないので個人的な話にしよう。
私の場合に限って言えば、母には悪いが(というのはもちろん皮肉で言っているのだが)、女だったから損したと思ったことは殆ど無く、逆に、女は得だと言われたことなら沢山ある。もしかして男の人のほうがそういう嫉妬って露骨に出すものなのかしらと思うくらいである。
私の妹は、
「お姉さんが漫画家で儲かっているのに、何であんた会社勤めなんかしてるわけ」
と会社で言われたというが(私はどっちかというと漫画家=儲かってるという図式のほうに文句を言いたいが)、妹も母と性格が同じなので差し引きそこまで言ったかどうかは別にして、言ったのはみな男子社員だったという。ほかにも、同業者の女性が同窓会の席上で、
「お前な、東京で漫画家もいいけどな、男より稼いで天狗になるような女だけにはなるなよな」
と言われたという話も聞いたことがある。「男より稼いで」とは、一体誰を基準にした話なのだろうか、自分なんだろうな、やっぱ。そりゃちょっと聞くだけでも恥ずかしい話じゃないの、ねえ。
 自分よりも年下の奴に言われるのはなお嫌だ。私の会社で雇ったバイトの学生(男)と議論していて、
「内田さんは成功しているからそんなことが言えるんですよ」
と反論されたときは耳を疑った。性交って言っているのかと思っちゃったわよ。これからって年頃の人間が何てこと言うんだ。そういうふうなかたちで嫉妬を表に出したら、それをエネルギーに変えることもできないってことが何故わからないのかしら。口に出したりせずに、ぐっとこらえて普通にしていないと、その、あんたの言う成功とやらは一生他人だけのものになっちゃうんだよ、たぶん。あんたにとって何が成功なんだか私にはよくわからないから、たぶんとしか言えないけど。
 出版界においても、編集者の人にはまだまだ男が多いため、漫画家や文章家は女のほうが仕事が貰い易いなんて言う人もいるけど、長い目でみれば決してそんなことはない。私はデビューしたばかりの頃こんな経験をしたことがある。
ある雑誌からカットの依頼が来て打ち合わせに出かけたら、その担当者(男)に、
「いやあ、今まで内田春菊って男だと思ってたんですよ。そしたら女だっていうんで一度頼んでみようと思って」
と言われてしまったのである。
「男かと思ってた」
というのはなぜか今でもよく言われるが(だから良いとか悪いとか言うよりも、そういうふうに言う人たちの頭の中にはセックスシーンが出てきたら=男、という公式があるようだ。もちろん本人たちは気づいていないけど、こっちは度々のことなのでなんとなくわかってしまった。ついでに言えば男かと思ってたという人の殆どは男だ)、女だから仕事頼もうと思ったと面と向かって言われたのはそのときだけである。
しかしなんでそんなことを言ったのだろう、喜ぶとでも思ったのだろうか。きっとそうなのだろうな、だって結構嬉しそうに言われたから、私のほうも、
「えェー?」
などと言えなかったのだ。トホホ、情けないなあ。仕事自体も、手のひら大に描いた人物をわずか三センチ大に縮められるという人情のかけらもない仕上がりだった。女だからというだけで貰える仕事なんて、その程度なのだ。
 以前は野郎ばっかりだった私の会社だが、今は、一人を除いて全員女になってしまっている。女ばかりなのが嫌なわけではないが、複雑な気持ちである。なぜかというと、辞めていった男子社員の共通点が、最近見えてきたからである。今後、男子社員もまた入れたいのだが、そのことを思うたびに、何だか憂鬱になってしまう。だって、その共通点とは、恐ろしいことに、
「会社のなかで恋愛したがっている」
ということなのである。冗談に聞こえるかもしれないが、そうとしか思えないのである。自分の仕事が残っているのに女子社員が仕事を終えて帰るとなると、一緒に帰ってしまう奴。その逆で、自分の仕事が終わってタイムカードを押しても、女子社員の仕事が終わるまで帰ろうとしない奴。女子社員が彼らの仕事ぶりを非難しても、改めるどころか「かまってくれて嬉しいな」という表情でへらへら笑って聞き流している。仕事がまともにできるわけでもないのに、どいつもこいつも髪型や着るものばかり気にしている。ちょっと待ってよ、こういうのって、ついこないだまで女のほうが言われてたことじゃないの? と気づいたときから私は頭が痛い。時空の歪みに入りこんだような気分である。
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