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たべもの歳時記19

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:こち コチは、しゅんに地域の別があって、東京や大阪あたりでは、もっぱら夏の魚として、相当に賞味しますが、福島県や福井県あ
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こち

 コチは、しゅんに地域の別があって、東京や大阪あたりでは、もっぱら夏の魚として、相当に賞味しますが、福島県や福井県あたりでは、それほど、夏にありがたがられる魚ではありません。三月に取り上げたものの、東京にかぎっていえば、やはり、夏の部に取り上げるべき魚です。
最近は遠洋漁業のおかげで、真冬に東シナ海あたりで、底曳網《そこびきあみ》を使って獲ったコチが出回り、タイやサワラとまぜて、「すき」の材料として売る店も多くなっています。
ここにコチというのは、ホンコチまたはマゴチといっているもので、コチ類には、このほかに相当の種類があって、これらは総称してメゴチといっています。それは、ホンコチは眼が割合小さいのに、メゴチはいずれも眼の大きいためです。ホンコチは、メゴチ類とちがって熱帯性のもので、アフリカの東岸やインドなどにも多く分布し、わが国では福島あたりまで分布しています。熱帯性魚族の通有性として、夏に美味ですが、福島あたりで、さほど賞味しないのは、あるいは水温の低いところにいるものが、それほどうまくないためかも知れません。
砂泥にじっとしているときは保護色なので、見分けがつかず、海中では甚だ地味な存在です。大きいもので五十センチにも成長しますが、ふつう市販されているものは、三十センチ前後のものです。夏場には、「生鯒《いけごち》」といって、生きたものを生簀《いけす》に蓄えて置き、洗いにして賞味しますが、わたしどもの田舎では、生きのよいのをブツ切りにし、手間ひまかけず、生じょうゆで煮て、膳に載せていました。身は白く、身ばなれがよく、おいしいものです。
出来鯒の怒りし貌の幼さよ 春逸
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