タチウオは、漢字で書くと「太刀魚」。長く、幅広く、平べったく、さらに銀白色をしているので、文字どおり太刀のような恰好に見える魚。関西、四国、九州、北陸などではタチウオといっていますが、東京方面ではタチ、またはタチノウオといって、たいていノの字を加えます。トビウオでも東京ではトビノウオという場合が多いようですが、最近は東京でもタチウオ、トビウオというひとが多くなったようです。福島のサワベルも洋刀サーベルからの連想で、おそらく明治以降に付けられた名まえでしょう。一説によると、この魚はからだを垂直にして立って泳ぐから、この名があるともいわれます。泳ぎはあまり上手ではありませんが、その代り、口が大きく裂け、歯が鋭く、一たび餌をくわえると、決してそれを逃さない仕組みになっています。
タチウオはウロコがなく、全身銀箔を置いたような色で、触れると、その箔が手につくような感じがします。グアニン質というもので、これを集めて、セルロイドを溶かした液にまぜ合わせ、ガラス玉にぬったものが、例の模造真珠です。この銀箔のため、東京人はこの魚を食べるのをきらう場合が多く、従って下魚扱いしていますが、関西方面では、そうざいザカナとして、夏場、人気があります。
太刀魚の剥げよごれたる姿かな 耿陽
銀箔様の皮肌が美しいほど、鮮度のいいもので、古くなるに従って肌がよごれ、剥げて来ます。
大きいものは脂肪に富み、骨ばなれもよく、うまい魚です。照り焼き、塩焼き、煮つけがよく、三枚におろしてフライもいいものです。新鮮なものは刺身にも向きます。
タチウオはウロコがなく、全身銀箔を置いたような色で、触れると、その箔が手につくような感じがします。グアニン質というもので、これを集めて、セルロイドを溶かした液にまぜ合わせ、ガラス玉にぬったものが、例の模造真珠です。この銀箔のため、東京人はこの魚を食べるのをきらう場合が多く、従って下魚扱いしていますが、関西方面では、そうざいザカナとして、夏場、人気があります。
太刀魚の剥げよごれたる姿かな 耿陽
銀箔様の皮肌が美しいほど、鮮度のいいもので、古くなるに従って肌がよごれ、剥げて来ます。
大きいものは脂肪に富み、骨ばなれもよく、うまい魚です。照り焼き、塩焼き、煮つけがよく、三枚におろしてフライもいいものです。新鮮なものは刺身にも向きます。