日本人のタイ好きにあやかるように、分類の上から、タイ科とは縁もゆかりもないものまで「なになにダイ」と、タイの名で呼ばれています。アコウダイなども、その一種で、本籍はカサゴ科。次に挙げるものなども、広い意味でも、タイ科には入れられないものです。アオダイ、オナガダイ、ヒメダイ、アカアマダイ、シロアマダイ(シラカワ)、メダイ、イホダイ、キンメダイ……以上は、ふつうに市場に出回っているものですが、そのほかにも、学者の間だけや、一般になになにダイの名で呼ばれているものが、まだかなりあります。もう少し挙げると、イシダイ、ヨロイダイ、イットウダイ、ギンメダイ、マトウダイ、ヒメコダイ、カガミダイ、サクラダイ(マダイを関西、瀬戸内あたりではサクラダイといいますが、これとは全く別のもの)など、ざっと数えるだけでも、五十種以上におよびます。
動物の分類学上では、確かに戸籍詐称になりますが、おもしろいことに、形態、容姿の点では、大部分が背腹の幅が広く、白身で、サバやカツオ、マグロの類、アジ、ブリの類のように体色が青かったり、からだが紡錘《ぼうすい》形だったりするものはなく、やはり、タイの体形を考慮に入れておるようです。
アコウダイは、からだ全体が美しい鮮紅色をしていて、眼や口が大きく、また、頭にトゲが多く、ゴツゴツしていて、ときには背部に大きい黒い斑紋を付けていることがあります。真冬から春先にかけて、店頭に出回り、主に切身にして、しょうがの薄切りといっしょに甘辛く煮つけますが、脂気が強過ぎるくらいあります。煮上がったら針しょうがを盛って出します。煮つけ以外に、刺身、塩焼き、照り焼き、それにすしダネにもなります。鮮度のよいものを洗いにするとき、脂肪が多いので、湯洗いします。
動物の分類学上では、確かに戸籍詐称になりますが、おもしろいことに、形態、容姿の点では、大部分が背腹の幅が広く、白身で、サバやカツオ、マグロの類、アジ、ブリの類のように体色が青かったり、からだが紡錘《ぼうすい》形だったりするものはなく、やはり、タイの体形を考慮に入れておるようです。
アコウダイは、からだ全体が美しい鮮紅色をしていて、眼や口が大きく、また、頭にトゲが多く、ゴツゴツしていて、ときには背部に大きい黒い斑紋を付けていることがあります。真冬から春先にかけて、店頭に出回り、主に切身にして、しょうがの薄切りといっしょに甘辛く煮つけますが、脂気が強過ぎるくらいあります。煮上がったら針しょうがを盛って出します。煮つけ以外に、刺身、塩焼き、照り焼き、それにすしダネにもなります。鮮度のよいものを洗いにするとき、脂肪が多いので、湯洗いします。