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たべもの歳時記50

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:ひがい ヒガイは、明治天皇が、まだ京都の御所においでの頃、近江から奉ったこの小魚をきこしめして、好物の一つとなさったとい
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ひがい

 ヒガイは、明治天皇が、まだ京都の御所においでの頃、近江から奉ったこの小魚をきこしめして、好物の一つとなさったというので、魚ヘンに皇——鰉という字を当てられるようになったという由緒のある川魚です。むかしは、それほどでもなかった魚なのに、明治以降、一躍川魚の王者の地位を占めるようになっためでたい魚。従来、琵琶湖で珍重していたモロコよりも値が高く、その肉の青白い美しい色とともに、きわめて上品な味を持った魚で、それまで、たくさんのひとが、このようにいい魚であることを知らなかったのは、いかにもウカツな話です。ヒガイの名は、琵琶湖の名産であるとの評判とともに、その当時、全国の人々の羨望《せんぼう》の的となりました。ヒガイの名を知っているのは、わずか琵琶湖周辺のひとたちくらいのもの。そのほかの地方へは、まだ、その名まえが拡がっていないため、前々からこの魚がいるにもかかわらず、このことを知らなかったひとが多かったそうです。
たいてい水深二十メートル以内の、清い砂礫《されき》の底に好んで棲み、性質は敏捷《びんしよう》で、おどろきやすく、容器の中では、器の底に逆立ちになって群れ集まり、池中でも、水藻中に、または池底砂礫の間にいて、イシムシや沿岸の小虫類を食べています。関西では、ヒガイの照り焼きを、すだちで食べるように出して来ますが、骨がやわらかくないので、魚はなるべく小形を使い、尾のほうから丸喰いすると、舌に骨がさわらないなどと、通がるムキもあります。煮つけ、魚田にするほか、塩焼きが最良とされています。死ぬと、いちじるしく味が落ちるので、料亭では活《い》かしておいたのを調理します。
明治四十三年の明治天皇御製に、
鰉とるふねもみえけりささなみの 志賀の浦わの秋の夜の月
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