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たべもの歳時記60

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:いちご「あたゝかい海の風を受けた石垣には、紅い宝石のやうなオランダ苺《いちご》がみのつてゐるのであつた。東京へ出る走りの
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いちご

「あたゝかい海の風を受けた石垣には、紅い宝石のやうなオランダ苺《いちご》がみのつてゐるのであつた。東京へ出る走りの苺や野菜物などは、南のあたゝかい海風を利用して、この附近で早くから作り出されるのである。」
吉田絃二郎氏の見たオランダいちごは、おそらく、富士山を望む清水市増町あたりの石垣いちごだったと思います。海岸べりの山の斜面に、石垣を築いてつくられているいちごは、むかし、石垣の間に、自然生育しているいちごにヒントを得て、はじめられたものだそうです。
オランダいちごは、またの名を草いちごといい、外国種のいちごとして、天保年間か、その直後、オランダ人によってはじめてわが国にもたらされたので、この名が生まれました。当時は、もっぱら、長崎付近の在日外人の食用に供するために栽培されていた程度。今日のような新しい栽培種は、明治五、六年頃、アメリカから伝わったものです。
清少納言の『枕草子』には「あてなるもの」、つまり、けだかく清げなるものの一例として、�いみじううつくしき乳児の苺食ひたる�と、いちごが挙げられ、さらに「おぼつかなき物」、すなわち、心もとないものの例に�暗きに苺食ひたる�と、これまた、いちごが登場しています。この例から推《お》すと、古くから、いちごを食べていたことがわかります。
この頃、季節にかかわりなく出回っている福羽いちごは、明治時代、フランスから輸入したゼネラル・シャンジー種の実生から福羽逸人博士が生み出したもので、かおりが高く、紅赤のあざやかな色をした大粒種です。このほか、おなじみのものに、アメリカ原産のダナー種があります。
乳鉢の紅すり潰す苺かな 碧梧桐
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