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たべもの歳時記69

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:新じゃがいも「清《せい》さんは掘つたばかりの馬鈴薯《ばれいしよ》を草の上に集めた。清さんはその一つを手にして、草の葉を※
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新じゃがいも

「清《せい》さんは掘つたばかりの馬鈴薯《ばれいしよ》を草の上に集めた。清さんはその一つを手にして、草の葉を※[#「手へん+毟」、unicode6bee]《むし》つて、黒い柔かな土を落とした。処女の皮膚を想はせるやうな馬鈴薯の薄い紅《あか》らんだ皮の上にも快い日の光が動いてゐた。清さんは手にしてゐた馬鈴薯を土の上に投げるともなく投げた。小さな馬鈴薯が柔《やわら》かな土を撃つ音さへ清さんの頭にははつきり意識せらるるほど朝は静かであつた。」(吉田絃二郎)
土の香のにおうような、見るからに愛らしい新じゃがの出回る季節になりました。じゃがいものふるさとは、南米アンデス山系中部の高地。ヨーロッパに伝わったのは、コロンブスのアメリカ大陸発見より数十年あとで、当時は毒だとか、病気になると怖《おそ》れられて、なかなか普及しませんでした。わが国には、今からざっと三百七十年前、慶長三年、オランダ船によって、ジャワのジャガタラ(今のジャカルタ)から長崎へもたらされたのがはじまり。そのため「じゃがたらいも」の名が生まれ、のちに「じゃがいも」の名で親しまれるようになりました。
わが国での主産地は北海道で、全国生産量の約四十パーセントを占め、そのほか、東北地帯をはじめ、寒冷地で多く栽培され、天保七年(一八三六年)大飢饉《ききん》のとき、じゃがいもを植えていた地方だけは、死人が少なかったので、のちに「お助け芋」の名さえ生まれました。品種としては、男爵、紅丸が多く栽培され、寒冷地のものは、ぽくぽくした歯ざわりがおいしい。
梅の実大の新じゃがを、ざっと水洗いして、皮つきのままふかし、冷《さ》めないうちに皮を剥《む》き、バターか塩をつけて食べると、新じゃがらしい風味が満喫できます。このほか、フライにしてもおいしく、たけのこなどとの丸煮、ベーコンといっしょに炒《いた》め、スープで煮込んでも美味です。
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