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たべもの歳時記70

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:あわび  水|潜《くぐ》る玉にまじれる磯貝《いそがい》の 片恋《かたこい》のみに年は経《へ》につつ万葉集、巻の第十一に見
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あわび

  水|潜《くぐ》る玉にまじれる磯貝《いそがい》の 片恋《かたこい》のみに年は経《へ》につつ
万葉集、巻の第十一に見える柿本人麿の歌ですが、アワビは古来、片思いのシンボルと考えられていたせいか、婚礼の祝宴に使うのを忌《い》み、もっぱら「からふたつ相合ひて陰陽の象ある」ハマグリが用いられてきました。
むかしは、産婦のお乳の出をよくするのに利きめがあるというので、地方によっては、お七夜まで、必ずアワビを食べさせる|ならわし《ヽヽヽヽ》がありました。中国では、むかしから不老長寿の食べものとして、料理にアワビをたくさん用います。事実、アワビの成分は、殆どが良質のたんぱく質で、百グラムあたりでは、牛肉よりもよいくらいです。それに、動脈硬化の原因の一つに数えられている脂肪分を、全くふくんでいないので、お年寄りでも安心して召し上がれます。
アワビには、マダカ、オガイ、メガイ、それにエゾアワなどがあります。マダカはアワビ中もっとも大きく、殻の直径二十五センチに及ぶものもあり、高くふくれ殼についている孔《あな》がいちじるしく隆起しているので、この名があります。オガイはマダカに次いで大きく、足の裏(岩にぴったり付着する部分)が黒ずんでいるところから、青貝、黒貝の名でも呼ばれます。肉は固い割りに、歯切れがよいので、水貝に用います。一方、メガイは殻は低く、平らで円味を帯び、大きさは老成したものでも、マダカには遙かに及びません。赤肌でやわらかく、ビワ貝ともいわれ、塩蒸し、酒蒸し、煮もの、揚げものなどに向きます。さくらんぼの出回る頃、オガイを賽の目に切った水貝は、とりわけ美味で、調理人は、足の裏に塩をすり込み、殼からはずした身を俎板《まないた》に打ちつけます。こうすると、身が締まり、口当りがよくなるからです。
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