日ごとに、緑あざやかな、いんげんの入荷が増えています。いんげんはマメ科に属する一年生の草本で、種類が多く、直立する「つるなしいんげん」、俗に「うずら豆」の名で呼ばれるものも、いんげん豆の一種です。蔓性種で、おなじみの品種には、鈴成いんげん、白入、房、ケンタッキーワンダーなどがあり、このうち、大半を占めるのが、どじょういんげんの名で親しまれているケンタッキーワンダー種。サヤが丸味を帯び、やわらかくて、おいしい品種です。蔓なしには長うずらまめ、ロングフェロー、金時などがあります。現在、店頭で見かけるいんげんは、南米ペルーが原産地で、北米大陸では古くからインディアンたちの手によって、栽培されていました。新大陸から欧州に招来され、中国を経て、日本に渡ったものと思われます。
『草廬漫筆《そうろまんぴつ》』には、「八外豆、インゲンマメ、隠元禅師其の種を持来り、南京寺に植ゑしより世に流布す」と、記されています。このような来歴から、関東では「隠元豆《いんげんまめ》」と呼んでいますが、牧野富太郎博士によれば、「隠元禅師が日本へもたらしたのは本種ではなく、ふじ豆のこと」だそうで、和名「五月《ごがつ》※[#「豆+工」、unicode8c47]豆《ささげ》」、今日のいんげんとは、ちがう品種だといいます。
いんげんは、調理するときは、「青味」を損ねないようにするのがコツ。ゆでるときは、熱湯に一つまみの食塩を入れ、さっとゆで、すぐにザルにあけ、ウチワであおぐなりして、急激に冷ますと、色あざやかに仕上がります。ゆでたものを、バター炒《いた》めにし、塩、こしょうで食べたり、ごまじょうゆをからませたりしますが、削りたてのカツオブシをのせ、しょうゆをかけて召し上がったほうが、季節の風味が充分味わえます。
『草廬漫筆《そうろまんぴつ》』には、「八外豆、インゲンマメ、隠元禅師其の種を持来り、南京寺に植ゑしより世に流布す」と、記されています。このような来歴から、関東では「隠元豆《いんげんまめ》」と呼んでいますが、牧野富太郎博士によれば、「隠元禅師が日本へもたらしたのは本種ではなく、ふじ豆のこと」だそうで、和名「五月《ごがつ》※[#「豆+工」、unicode8c47]豆《ささげ》」、今日のいんげんとは、ちがう品種だといいます。
いんげんは、調理するときは、「青味」を損ねないようにするのがコツ。ゆでるときは、熱湯に一つまみの食塩を入れ、さっとゆで、すぐにザルにあけ、ウチワであおぐなりして、急激に冷ますと、色あざやかに仕上がります。ゆでたものを、バター炒《いた》めにし、塩、こしょうで食べたり、ごまじょうゆをからませたりしますが、削りたてのカツオブシをのせ、しょうゆをかけて召し上がったほうが、季節の風味が充分味わえます。