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たべもの歳時記86

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:石だい 石ダイは、暖かい海水を好む魚で、九州、静岡、大島など、南日本が主産地。背から腹部にかけて、七本の黒褐色の太い縞が
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石だい

 石ダイは、暖かい海水を好む魚で、九州、静岡、大島など、南日本が主産地。背から腹部にかけて、七本の黒褐色の太い縞があるので、俗にシマダイと呼ばれるのです。この縞も、体長三十センチを越えると、淡くぼやけて、口のあたりがいちじるしく黒くなります。この頃のものが、もっともおいしく、夏場がしゅん。
幼魚の頃は、流れ藻の下にかくれ、成長すると、磯近くの岩礁地帯に住みつくようになるので、石ダイの名が付いたといわれます。ただ時間によって、住む場所が少し移動し、漁師の話では、その移動する道すじは、いつも決まっているとか……。山の猟師がイノシシやウサギのとおる|けものみち《ヽヽヽヽヽ》を知っていて、木陰にかくれて、一発、ズドンとお見舞いするように、ベテランの漁師は、石ダイの通い路に、イガイのような貝を殻ごと砕《くだ》いて撒《ま》き、その中に針をひそめたイガイの肉をいくつか置きます。すると、餌を求めて、とおりかかった石ダイが、針がついているとは露知らず、イガイを呑み込み、釣り上げられる——というわけです。思えば、悲しき性《さが》と申せましょう。それだけに、この通い路からはずれると、とんと食いついてきません。所詮、石ダイの通い路に精《くわ》しい土地の漁師にかないません。
鹿児島では、ヒサノウオといって、夏に自慢の名物で、冬になると、味が落ちます。『本朝食鑑《ほんちようしよつかん》』の著者は、「味わい佳ならず。きわめて下品にして、民間にもまたこれを疎《うと》んず」と、最低の評価をくだしていますが、果して、ほんとうに味わってみたでしょうか? もし口にしたとしたら、おそらく、しゅんはずれのものだったでしょう。鮮度のよいものなら、刺身か洗いにすれば、肉は|こりこり《ヽヽヽヽ》締まっていて、賞《め》でるに価いするうまさです。
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