いまでこそ、トマトは日本人になじみの深い日常野菜の一つですが、そのむかし、南方や中国から渡来したての頃は、ピーマンと同じく、一部のひとたちの観賞用植物でした。
原産地については、いろいろ説のある中でメキシコとペルーが有力です。後者は、ヨーロッパに伝わった初期に、「ペルーりんご」、「ペルーのもの」と呼ばれていたことが、手ががりの一つになっています。フランス、イギリスでは「愛のりんご」と呼ばれていました。それというのも、トマトは欲情を刺激するくだものと考えられていたからです。
トマトの多くは、約八割程度熟した頃に出荷され、店先に並びはじめのときは、へたの部分が青いのがふつうで、鮮度のよいものは、さわってみると、肉がむっちりと締まっています。形がよく、大きさも中ぐらいのものより、いくぶん大きめのもので、色艶のよいものを選ぶのが第一のコツ。色合いは、真っ赤なものより、少し青味のあるピンク色をしたもの、ヘタの切れ目のしなびていないものが食べ頃のものです。
西洋に「トマトのある家に胃病なし」ということわざがありますが、トマトはビタミンCをふくみ、ふつうの大きさのもの(二百グラム程度)なら、Cの含有量は、四十グラムもあり、生で食べることが多いし、夏は一日に何度も食べるので、完全にCの補給はできるわけです。また、肉料理のつけ合わせとして食べると、脂肪の消化吸収を助けます。冷やすとおいしさが際立ち、サラダ、ジュースにしてもおいしい。
濡れてゐる西日の中のトマト買ふ あきら
原産地については、いろいろ説のある中でメキシコとペルーが有力です。後者は、ヨーロッパに伝わった初期に、「ペルーりんご」、「ペルーのもの」と呼ばれていたことが、手ががりの一つになっています。フランス、イギリスでは「愛のりんご」と呼ばれていました。それというのも、トマトは欲情を刺激するくだものと考えられていたからです。
トマトの多くは、約八割程度熟した頃に出荷され、店先に並びはじめのときは、へたの部分が青いのがふつうで、鮮度のよいものは、さわってみると、肉がむっちりと締まっています。形がよく、大きさも中ぐらいのものより、いくぶん大きめのもので、色艶のよいものを選ぶのが第一のコツ。色合いは、真っ赤なものより、少し青味のあるピンク色をしたもの、ヘタの切れ目のしなびていないものが食べ頃のものです。
西洋に「トマトのある家に胃病なし」ということわざがありますが、トマトはビタミンCをふくみ、ふつうの大きさのもの(二百グラム程度)なら、Cの含有量は、四十グラムもあり、生で食べることが多いし、夏は一日に何度も食べるので、完全にCの補給はできるわけです。また、肉料理のつけ合わせとして食べると、脂肪の消化吸収を助けます。冷やすとおいしさが際立ち、サラダ、ジュースにしてもおいしい。
濡れてゐる西日の中のトマト買ふ あきら