石がれい
数多いカレイ類の中でマコガレイとともに、もっともおいしいのがこの石ガレイ。これからがしゅんで、土用をはさんで前後一カ月がおいしいシーズンです。
専門の魚屋さんでも、カレイばかりは種類が多くて一目見ただけでは、なにガレイか区別するのは、むずかしい。その点、石ガレイは、右側の背の部分に、石のように固いウロコが二、三列並び(そのため石ガレイの名が生まれた)、側線に沿ったところや腹部にもあり、表面は黒褐色で、一面に大小の白い斑点が散らばっているので、比較的見分けやすいカレイです。もっとも、幼魚の時代に、石はなく、つるりとしていて、若魚の頃になると出てきます。それでも、腹側の一列は、まだ出てきません。
夏も冬もよく獲れ、刺身、煮つけにして賞味します。東京では、湾内で獲れたものを、カレイ類中もっとも美味とし、ただカレイといえば、石ガレイをさすほどです。しかし、他の地域、ことに東北地方や北海道では、このカレイを、カレイ類中もっともまずいものとして扱っています。これをみると、棲息場所によって、いちじるしくその味が変化するものと思われます。
小さなものはから揚げや塩焼きに。四十センチぐらいのしゅんの大物は、三枚におろして刺身にし、さらしねぎやもみじおろしを添え、ポン酢じょうゆで、どうぞ。ひとによっては、石ガレイはホコリ息いクセ味があるといってきらいますが、鮮度のよいものなら、気にするほどの匂いはなく、|なます《ヽヽヽ》や|あらい《ヽヽヽ》にしても、乙な味が楽しめます。九州、別府温泉近くの日出《ひじ》で獲れる「城下ガレイ」は、むかしから有名ですが、これは肉の厚いマコガレイです。六、七月がうまく、梅酢で作った三杯酢を添えての刺身は、天下の美味の一つに数えられましょう。
専門の魚屋さんでも、カレイばかりは種類が多くて一目見ただけでは、なにガレイか区別するのは、むずかしい。その点、石ガレイは、右側の背の部分に、石のように固いウロコが二、三列並び(そのため石ガレイの名が生まれた)、側線に沿ったところや腹部にもあり、表面は黒褐色で、一面に大小の白い斑点が散らばっているので、比較的見分けやすいカレイです。もっとも、幼魚の時代に、石はなく、つるりとしていて、若魚の頃になると出てきます。それでも、腹側の一列は、まだ出てきません。
夏も冬もよく獲れ、刺身、煮つけにして賞味します。東京では、湾内で獲れたものを、カレイ類中もっとも美味とし、ただカレイといえば、石ガレイをさすほどです。しかし、他の地域、ことに東北地方や北海道では、このカレイを、カレイ類中もっともまずいものとして扱っています。これをみると、棲息場所によって、いちじるしくその味が変化するものと思われます。
小さなものはから揚げや塩焼きに。四十センチぐらいのしゅんの大物は、三枚におろして刺身にし、さらしねぎやもみじおろしを添え、ポン酢じょうゆで、どうぞ。ひとによっては、石ガレイはホコリ息いクセ味があるといってきらいますが、鮮度のよいものなら、気にするほどの匂いはなく、|なます《ヽヽヽ》や|あらい《ヽヽヽ》にしても、乙な味が楽しめます。九州、別府温泉近くの日出《ひじ》で獲れる「城下ガレイ」は、むかしから有名ですが、これは肉の厚いマコガレイです。六、七月がうまく、梅酢で作った三杯酢を添えての刺身は、天下の美味の一つに数えられましょう。