やわらかな辛味とかおりの洋とうがらし——ピーマンは、ここ数年間で出回りが倍増し、新興野菜の成長株にのし上がってきました。わが国では、フランス名のピーマンで呼ばれていますが、イギリス名のスイートペッパーから甘とうがらしともいわれています。京都辺で作られている伏見なんばんや三重、和歌山県地方で作られている|ししとう《ヽヽヽヽ》もこの一族。
ブラジル原産のものは、十五センチから二十センチにも及び、幅も七、八センチと|ばかでかい《ヽヽヽヽヽ》ものです。コロンブスのアメリカ大陸発見以来のもので、日本へは辛いもの、ヨーロッパには比較的辛味のうすいものと分れて伝わりました。史実によれば、天文十三年(一五四四年)ポルトガル人が豊後|臼杵《うすき》の城主、大友宗麟《おおともそうりん》に種子を伝え、慶長十八年(一六一三年)にスペインからローマへ伊達政宗の命を受けて渡航した支倉常長《はせくらつねなが》が持ち帰ったといわれています。
出盛りは七、八月の盛夏の候で、一般の野菜にくらべビタミンCが多く、とくにからだの中でビタミンAにかわるカロチンを多量にふくんでいる栄養価の高いものです。しかもこのカロチンというのは、油といっしょに食べると全部吸収されるので、てんぷらや炒《いた》めもの、詰めものにして挽肉などを用いるのは、甚だ効果的な調理法ということができます。この他、細切りにして、サラダ、ごまあえにしてもよく、ぬかみそに漬けても特異な歯ざわりとかおりが楽しめ、ただ焼いただけでも風味があり、酒の肴として珍重されます。
秋口に出る赤ピーマン(ピメント)は、皮がやわらかく、甘味や香りもすぐれていて、しかも赤い色どりが洋風料理のスパイスとして欠かせないもので、バターライスなどの料理に用います。
ブラジル原産のものは、十五センチから二十センチにも及び、幅も七、八センチと|ばかでかい《ヽヽヽヽヽ》ものです。コロンブスのアメリカ大陸発見以来のもので、日本へは辛いもの、ヨーロッパには比較的辛味のうすいものと分れて伝わりました。史実によれば、天文十三年(一五四四年)ポルトガル人が豊後|臼杵《うすき》の城主、大友宗麟《おおともそうりん》に種子を伝え、慶長十八年(一六一三年)にスペインからローマへ伊達政宗の命を受けて渡航した支倉常長《はせくらつねなが》が持ち帰ったといわれています。
出盛りは七、八月の盛夏の候で、一般の野菜にくらべビタミンCが多く、とくにからだの中でビタミンAにかわるカロチンを多量にふくんでいる栄養価の高いものです。しかもこのカロチンというのは、油といっしょに食べると全部吸収されるので、てんぷらや炒《いた》めもの、詰めものにして挽肉などを用いるのは、甚だ効果的な調理法ということができます。この他、細切りにして、サラダ、ごまあえにしてもよく、ぬかみそに漬けても特異な歯ざわりとかおりが楽しめ、ただ焼いただけでも風味があり、酒の肴として珍重されます。
秋口に出る赤ピーマン(ピメント)は、皮がやわらかく、甘味や香りもすぐれていて、しかも赤い色どりが洋風料理のスパイスとして欠かせないもので、バターライスなどの料理に用います。