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たべもの歳時記111

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:ごり 光源氏三十六歳の夏のこと。その日も朝から蒸し暑い日でした。東の釣殿(寝殿造の東の廊の南端にあり、池に臨んだ建物)に
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ごり

 光源氏三十六歳の夏のこと。その日も朝から蒸し暑い日でした。東の釣殿(寝殿造の東の廊の南端にあり、池に臨んだ建物)に出て、源氏は夕涼みをしていました。そばには夕霧をはじめ、日頃親しくしている殿上人も、あまた控えていました。その節、源氏の御前《おまえ》にて調理され、差し出された酒のサカナが「西河よりたてまつれる鮎《あゆ》、近き河の|いしぶしやうのもの《ヽヽヽヽヽヽヽヽヽ》」でした(常夏の巻)。「いしぶしやうのもの」とは、ゴリのことらしく、宣長も『玉勝間』の中に、そう書き、「此ゴリ、鴨川、桂川などにも多く有て、常に石の下を尋ねてとるなり。石ぶしと云ふ名にかなへり」と記しています。
むかしから有名な加茂川のゴリは、ゴリはゴリでも、ヨシノボリ(葦登)という和名をもった、頭に黄赤の細いすじのあるきれいなハゼです。京都ではイシブシのほかにイシビショ、イシモチの名でも呼ばれます。胸の下の吸盤《きゆうばん》(左右の胸ヒレの合したもの)で、石に吸いつくからイシモチという名がついたといわれます。川の底へ水の流れと同じ向きに溝を作り、その上手に、農家で使う箕《み》のようなかごをおいて、下手から石を足でかえしながら追っていくと、追い出されたゴリは、溝にそって上手へ上手へと逃げ、最後に押しつめられて、連れだってカゴの中へはいってしまう。多いときは、一押しで数キログラムもとれる。�ごりおし�の語がうまれるゆえん——とは、動物生態学の権威、宮地伝三郎先生のはなし。
加茂川産のゴリはやわらかく、みそ汁の実にしたり、うま煮や辛煮にして賞味します。魯山人先生は「赤だし一椀に、七尾入れるのが通例となっている」と、聞かしてくれましたが、小さなゴリ七尾を入れて、京名物の吸いものができるのですから、うまさのほどが想像できましょう。
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