真赤なトマト、ピンクの桃、黄色のレモンにまざって、青いりんごが、くだもの屋の店頭にお目見えしました。本年産のりんごのトップを切る「祝《いわい》」という品種。国光やデリシャス系のものにくらべると、酸味がいくぶんきつく、多少渋味もあり、夏場にふさわしいりんごといえましょう。七月中は、まだおいしいとはいえませんが、糖分、ペクチンを豊富にふくんでいます。
明治五年、勧業寮の手により、アメリカから輸入された七十五品種の一品種で、原名をアメリカン・サマー・ペアメンといい、アメリカでは、ごくかぎられた品種ですが、わが国の地味によく合い、品質も日本人の好みにマッチし、北海道、東北地方、長野県あたりで多く栽培されています。暖地の四国や中国地方でも栽培され、重要な品種に数えられています。
ちなみに「祝」という品種名は、大正天皇のご成婚を奉祝して、明治三十三年に名付けられたものだそうです。近頃、すいかやメロンに押され、青りんごの人気は下降線をたどっていますが、穫りたてのものだけに、ビタミンも多く、八月中旬すぎれば、果汁も割合多くなり、祝本来の味がのってきます。
祝りんごは、収穫後、割りと早く果肉が軟化しやすく、とくに暖地産のものは日持ちがわるいので、お買いになるときは、当座必要なだけにとどめ、旅のみやげに籠入りのものをもらったら、早めに食べましょう。反面、他のりんごにくらべ祝種は、皮を剥いてから、褐変《かつぺん》するのが遅い特徴があります。
盛物に林檎のつやや仏の灯 鳴雪
明治五年、勧業寮の手により、アメリカから輸入された七十五品種の一品種で、原名をアメリカン・サマー・ペアメンといい、アメリカでは、ごくかぎられた品種ですが、わが国の地味によく合い、品質も日本人の好みにマッチし、北海道、東北地方、長野県あたりで多く栽培されています。暖地の四国や中国地方でも栽培され、重要な品種に数えられています。
ちなみに「祝」という品種名は、大正天皇のご成婚を奉祝して、明治三十三年に名付けられたものだそうです。近頃、すいかやメロンに押され、青りんごの人気は下降線をたどっていますが、穫りたてのものだけに、ビタミンも多く、八月中旬すぎれば、果汁も割合多くなり、祝本来の味がのってきます。
祝りんごは、収穫後、割りと早く果肉が軟化しやすく、とくに暖地産のものは日持ちがわるいので、お買いになるときは、当座必要なだけにとどめ、旅のみやげに籠入りのものをもらったら、早めに食べましょう。反面、他のりんごにくらべ祝種は、皮を剥いてから、褐変《かつぺん》するのが遅い特徴があります。
盛物に林檎のつやや仏の灯 鳴雪