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たべもの歳時記123

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:二 十 世 紀 稔りに近い稲田に秋風が立ち、空の青さもいっそう冴えて、美しくなって来ました。野に山に秋の訪れを見るのは、こ
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二 十 世 紀

 稔りに近い稲田に秋風が立ち、空の青さもいっそう冴えて、美しくなって来ました。野に山に秋の訪れを見るのは、これからですが、町にはすでに、秋の前触れのような、いろいろな種類のなしが出盛っています。
いま出回っているのは、日本なしを代表する長十郎と二十世紀ですが、これから十月の半ば頃までが本格的ななしの季節。この頃がまた、なしの食べ頃。
梨売にガードの日影移りけり 秋桜子
十九世紀末の一八九八年(明治三十一年)、渡瀬寅二郎、池田|伴親《ともちか》の二人によって、これからの主役になる品種として命名され、文字どおり二十世紀なしの代表選手になりました。
日本なしの中でも、皮は薄いほうなので、たいていは包紙にくるまったまま、店頭に出ますが、食べ頃の熟れたものは、よほどていねいに扱わないと、傷がつきやすく、せっかくの美しい肌が黒ずんで、醜くなります。もし甘味を砂糖でくらべるとすれば、赤なしは、三温糖の甘味、これに対して二十世紀は、精製された上白糖の上品な甘味にたとえられましょう。
ところで、日本なしは、いつ頃からあったものでしょうか。文献の上では『日本書紀』巻の三十に「詔《みことのり》して天《あめ》の下をして桑、紵《からむし》、梨、栗、蕪青《あをな》等の草木を勧み殖ゑて五穀《たなつもの》を助けしめたまひき」と、出ていますから、八世紀頃には、すでに栽培も相当程度行なわれ、食べていたのはかなり前ということが分ります。益軒先生の『日本釈名《にほんしやくみよう》』(一六九九年刊)によると、「梨とは中白《なかしろ》または中酸《なかすき》という意味」だといわれます。つまり、果肉が白い、果実が芯に近くなるほど酸っぱいということから来たものと思われます。
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