ケガニのすみかは、タラバガニと同じような場所ですが、タラバがハナサキガニと同じく、五番目の足が退化して、ハサミをふくめて足は四対の、ヤドカリ仲間の雑種のカニなのにくらべ、ケガニはズワイガニとともに、十本足の正統派のカニ。全身、こげ茶色の密毛で覆われているため、ケガニの名で親しまれていますが、本名はオオクリガニ。三、四年で親になり、甲羅《こうら》は十五センチぐらいになり、寿命は七、八年と考えられています。あの固い甲羅を脱いだり、また、作ったりするので、一朝一夕には大きくなりません。カニたちは総じて、脱皮するたびに大きくなるもので、ケガニの場合、メスはオスにくらべ、極端に小さいのも、オスは毎年一回、キチンと脱皮するのに、メスはそれほどひんぱんにしないからだといわれます。
北海道をはじめ、北陸、三陸沿岸で、たくさん獲れ、出盛りの十二〜一月頃には、オホーツク海で獲れたものも多く出回ります。東京には、ときどき北海道から生きているものが空輸されて来ますが、殆どはゆでたものか、冷凍もの。生きているものは、ゆでたものより三、四割高い。冷凍ものは酢と塩を少し落した熱湯に入れ、もう一度ゆがいてザルに揚げます。こうすれば、肉にふくまれている水気が取れるし、安全でもあります。
五、六月が産卵期のため、晩秋から冬にうま味を増します。二杯酢かポン酢じょうゆに浸《つ》けて食べるとおいしく、あらかじめ食べやすいように、足、本体ともに包丁目を入れておくのが親切。
夕河岸や盤台しろき蟹の腹 小波
姿売りのカニが白い腹を出して並べられているのは、体内の汁が出ないようにとの配慮から。
北海道をはじめ、北陸、三陸沿岸で、たくさん獲れ、出盛りの十二〜一月頃には、オホーツク海で獲れたものも多く出回ります。東京には、ときどき北海道から生きているものが空輸されて来ますが、殆どはゆでたものか、冷凍もの。生きているものは、ゆでたものより三、四割高い。冷凍ものは酢と塩を少し落した熱湯に入れ、もう一度ゆがいてザルに揚げます。こうすれば、肉にふくまれている水気が取れるし、安全でもあります。
五、六月が産卵期のため、晩秋から冬にうま味を増します。二杯酢かポン酢じょうゆに浸《つ》けて食べるとおいしく、あらかじめ食べやすいように、足、本体ともに包丁目を入れておくのが親切。
夕河岸や盤台しろき蟹の腹 小波
姿売りのカニが白い腹を出して並べられているのは、体内の汁が出ないようにとの配慮から。