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たべもの歳時記150

时间: 2019-12-30    进入日语论坛
核心提示:かたくちいわし イワシは、漢字で魚ヘンに弱と書かれるほどの臆病者です。敵の目をあざむき、おのれを大きく見せようと、生まれ
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かたくちいわし

 イワシは、漢字で魚ヘンに弱と書かれるほどの臆病者です。敵の目をあざむき、おのれを大きく見せようと、生まれつき群れをつくるのが非常に巧みです。先日、ディズニーの記録映画「水の世界の驚異」を見ていたら、カタクチイワシの群れが出て来ました。イルカの攻撃を防ぐため、何千何万という数のイワシが実にきれいな球体を作り、整然と泳ぎ、ときどきアタックするイルカに群れを乱されるものの、すぐ隊列を整え、前よりも整然とした球体の群れを作って泳ぎ回ります。長い間かかって身につけた習性とはいえ、実に美しいものでした。
イワシといえば、思い出されるのが紫式部の話。式部はイワシが好物でした。当時、上流階級のひとたちは、イワシを卑《いや》しい魚として軽んじ、殆ど口にしませんでした。
夫の留守をよいことに、ひそかにイワシを賞味した式部は、口をぬぐってそしらぬ顔をしていましたが、その臭い匂いまでは隠すことが出来ず、帰宅した夫に早々感付かれてしまいました。夫、左衛門宣孝は、「むげにいやしきものを好み給ふものかな」と、たしなめました。そこで、黙って引き下がるような式部ではありません。即座に「日の本にはやらせたまふ石清水《いはしみず》まゐらぬ人もあらじとぞ思ふ」(石清水八幡宮にイワシということばをかけて、そのお宮に誰もがお参りするように、イワシも食べないひとはないでしょうという意)と、詠んだので、さすがの夫もこれには参り、それ以後、夫婦仲良くイワシを食べたそうです。また、これから、イワシのことを、「紫《むらさき》」というようになったといわれます。刺身、塩焼き、煮つけ、真蒸《しんじよ》などにしたり、塩蔵もし、また目刺にするほか、天日乾燥して、正月のおせちに使う五万米《ごまめ》などに加工します。
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