八百屋の店先に、百グラム袋入りのなめこが出回りはじめました。主に福島、宮城、群馬あたりから、東京へ送られてきますが、大きさごとに何種にも分れ、大粒のものは、ねだんも安く、小粒のそろったものは、ねだんもいくぶん高めです。なめこはモエギタケ科のきのこで、一名、ナメスギタケともいわれ、秋になると、いろいろな広葉樹、とくにブナの枯幹、倒木、切り株上に群がり生えますが、まれには、初夏から夏にも発生することがあります。傘は最初、直径二センチくらいの黄褐色の球形をしていますが、しだいに開いて、平らに大きくなり、なかには直径七、八センチに及ぶものもあります。
傘の表面は|ぬめり《ヽヽヽ》が強く、なめこという名も、このぬめりに由来し、柄は細長く、少しふくらんだ根の部分は、黒色の密毛でおおわれています。食べるときは、この部分を切り捨てます。
夏の味覚——じゅんさいとともに、なめこは、ぬめり食品の代表種で、歯切れもよく、なめらかな口当りで、淡泊な料理によく合います。ただし、生なめこは、そのままだと約三、四日しか保《も》ちませんので、ポリ袋やびん、罐詰などにして保存します。びんや罐詰ものは、殆ど栽培品で、近頃は割りと粒も細かく、そろっていて、よいものが出荷されていますが、天然の鮮度のよいものにくらべると、やはり、いくぶん風味は落ちます。
鮮埋のよいなめこを、小ザルにあけ、熱湯にさっとくぐらせ、余分なぬめりを除き、だいこんのおろしあえにすると、酒のサカナに喜ばれます。
また、岡崎の八丁みそを用いた赤だしに、なめこ、とうふ、三つ葉をあしらったなめこ汁や、なめこ雑炊なども、これからの季節、家中みんなに歓迎されましょう。
傘の表面は|ぬめり《ヽヽヽ》が強く、なめこという名も、このぬめりに由来し、柄は細長く、少しふくらんだ根の部分は、黒色の密毛でおおわれています。食べるときは、この部分を切り捨てます。
夏の味覚——じゅんさいとともに、なめこは、ぬめり食品の代表種で、歯切れもよく、なめらかな口当りで、淡泊な料理によく合います。ただし、生なめこは、そのままだと約三、四日しか保《も》ちませんので、ポリ袋やびん、罐詰などにして保存します。びんや罐詰ものは、殆ど栽培品で、近頃は割りと粒も細かく、そろっていて、よいものが出荷されていますが、天然の鮮度のよいものにくらべると、やはり、いくぶん風味は落ちます。
鮮埋のよいなめこを、小ザルにあけ、熱湯にさっとくぐらせ、余分なぬめりを除き、だいこんのおろしあえにすると、酒のサカナに喜ばれます。
また、岡崎の八丁みそを用いた赤だしに、なめこ、とうふ、三つ葉をあしらったなめこ汁や、なめこ雑炊なども、これからの季節、家中みんなに歓迎されましょう。