くりは日本原産の木の実で、むかしからおいしいものの一つに数えられ、みのりの秋を象徴するたべもののです。ブナ科クリ属には、日本ぐりのほか、支那ぐり、甘ぐり、ヨーロッパぐり、野生のしばぐりなどがあります。現在、東京の八百屋さん、くだもの屋さんの店先に出回っているのは主に千葉、茨城、栃木あたりから出荷されるもの。品種としては利平、丹波、大和、銀寄などです。
くりの成分は、でんぷんが主で(乾燥したくりには五十〜五十八パーセントもある)、穀類に似た栄養価があるばかりでなく、米にはないビタミンCと、米より多くのビタミンB1、B2をふくんでいます。そのせいか、むかしは「米一升くり一升」と評価され、同じねだんで取扱われていましたが、近頃ではお米のねだんをはるかに抜き、二、三倍の高値を呼んでいます。
くりの生食は、また、力づけのスタミナ食としてもてはやされ『食品国歌《しよくひんこつか》』には「栗の能、腎補ふて気をば増し、腸胃腰脚骨を強うす」と、その効能のほどが記されています。
栗飯の栗だけ食べる小さな掌 東吉
ゆでて間食用にするほか、季節の味覚として|くりめし《ヽヽヽヽ》、またお正月料理になくてはならぬくりきんとん、そのほか、お菓子の材料として重宝がられ、丹波ぐりのような大粒のものは、罐詰や菓子用に、中粒の銀寄は罐詰用、小粒で皮のうすい支那ぐりは、甘ぐり(焼きぐり)にして賞味されます。
くりをゆでるときは、水から入れて弱火でじっくりゆで上げ、火を止めてから、そのまま四十度ぐらいになるまで冷ましてザルに移すと、渋皮がよくむけます。
くりの成分は、でんぷんが主で(乾燥したくりには五十〜五十八パーセントもある)、穀類に似た栄養価があるばかりでなく、米にはないビタミンCと、米より多くのビタミンB1、B2をふくんでいます。そのせいか、むかしは「米一升くり一升」と評価され、同じねだんで取扱われていましたが、近頃ではお米のねだんをはるかに抜き、二、三倍の高値を呼んでいます。
くりの生食は、また、力づけのスタミナ食としてもてはやされ『食品国歌《しよくひんこつか》』には「栗の能、腎補ふて気をば増し、腸胃腰脚骨を強うす」と、その効能のほどが記されています。
栗飯の栗だけ食べる小さな掌 東吉
ゆでて間食用にするほか、季節の味覚として|くりめし《ヽヽヽヽ》、またお正月料理になくてはならぬくりきんとん、そのほか、お菓子の材料として重宝がられ、丹波ぐりのような大粒のものは、罐詰や菓子用に、中粒の銀寄は罐詰用、小粒で皮のうすい支那ぐりは、甘ぐり(焼きぐり)にして賞味されます。
くりをゆでるときは、水から入れて弱火でじっくりゆで上げ、火を止めてから、そのまま四十度ぐらいになるまで冷ましてザルに移すと、渋皮がよくむけます。