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たべもの歳時記167

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:だいこん 日本民族とのつきあいの古さを物語るかのように、各地に、だいこんにまつわる伝承が残っております。旧暦十月十日は、
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だいこん
 日本民族とのつきあいの古さを物語るかのように、各地に、だいこんにまつわる伝承が残っております。旧暦十月十日は、「大根《だいこん》の年取《としとり》」あるいは「大根《だいこん》の年越《としこし》・年夜《としや》」といって、秋田県の仙北郡ではこの日、だいこん畑に行って、だいこんの割れる音を聞いたものは命がないとか、岩手県の気仙郡広田町では、まるで見たかのように、十日の晩は、だいこんは唸《うな》り唸り大きくなるものだ、だからこの日は、だいこん畑に入ってはならぬ——と、伝えています。長野県の南|安曇《あずみ》郡では、だいこんはこの日まで畑におくと、よく実が入るから十日《とうか》夜《や》を過ぎてから抜くものだといいます。一方、だいこんの年取の日に、畑のいちばん出来のよいだいこんを二本、夷大黒《えびすだいこく》に供えるとか、十月十日の田の神の祭に、必ず葉つきのだいこんを供えるというならわしも、あちこちにあります。
なぜ、だいこんがこんなに広い地域に、神供《じんく》として、あるいは物忌《ものい》みを生み出したのでしょうか。民俗学者の鎌田久子先生は、「神霊がある特定の植物に憑《つ》きなさるという昔の人の考えは、天王の瓜畑など他にも例があるが、それにしても瓜ならば、丸く、中が空洞《くうどう》になっていて、霊魂の器といわれているが、だいこんは空洞ではない。しかし、この天然の色の白さは、八百屋の店先でもいちばんである。白色が重視された時代、このだいこんの白さに匹敵するものは、そうたやすく求め得られなかったのではなかろうか。今は白紙も、白布も、私どもの身辺にあふれているけれども、天然の白色は雪とか雲、花以外求め難いものであった。一年の折り目のもっとも重要な稲の収穫の頃、畑にぽっくり首を出すだいこんの白さは、神まつりのなによりの供物《くもつ》と感じたのではなかろうか。」——と、説明しておられます。
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