ポリエチレンの袋に詰められた|えのきだけ《ヽヽヽヽヽ》の出回りがさかんになっています。まだ、なじんでないひともいるかも知れませんが、このところ、急激に需要の伸びている人工栽培のきのこです。ずんぐり丸い形をした|なめこ《ヽヽヽ》とは対照的に、傘が小さく、軸の部分がひょろ長く、色白のかわいいきのこです。
長野県が主産地で、近頃は、埼玉、群馬の両県でも栽培量が増えつつあります。主に九月から翌年の四月頃にかけて出回りますが、最盛期は、これから二月頃までの冬の間です。
野生のものは、主として秋から春にかけて、えのき、くわ、かき、こうぞ、いちじく、やなぎ、ポプラ、その他の広葉樹の切り株や、枯幹の倒木上に群生しますが、最近は殆どが、鋸屑《おがくず》を用いた人工の瓶栽培ものになっています。
えのきだけは、栽培と利用の歴史が古く、元禄八年(一六九五年)、平野必大の著わした『本朝食鑑《ほんちようしよつかん》』の「菜部」の項に、「榎葺、恵之木多計ト訓ズ、此ノ茸榎樹及老根枯株ニ生ズ、当世嗜好ノ家老榎大樹ヲ伐テ五六尺ノ大ト作シテ土窖中ニ置ク、之ヲ覆フニ湿稲草薦ヲ用テ米※[#「さんずい+甘」、unicode6cd4]冷汁ヲ澆《ソソ》グコト日ニ一両次、二三日ニ至テ罷ム、日ヲ経テ多ク茸ヲ生ス、采テ之ヲ食ヘバ則味鮮美ナリ」——と記されています。
冬の雪中や低温の時期に穫《と》れるため、福島あたりでは「かんたけ」、山形地方では「ゆきのした」の名で呼ばれています。ほどよいぬめり、さわやかな歯切れを生かして、みそ汁の実、寄せなべに入れるほか、さっとゆでて、だいこんおろしの三杯酢、またはなっとうあえ、あんかけ、すき焼き、煮つけ、てんぷら、フライ、野菜|炒《いた》めなどにして、賞味します。
長野県が主産地で、近頃は、埼玉、群馬の両県でも栽培量が増えつつあります。主に九月から翌年の四月頃にかけて出回りますが、最盛期は、これから二月頃までの冬の間です。
野生のものは、主として秋から春にかけて、えのき、くわ、かき、こうぞ、いちじく、やなぎ、ポプラ、その他の広葉樹の切り株や、枯幹の倒木上に群生しますが、最近は殆どが、鋸屑《おがくず》を用いた人工の瓶栽培ものになっています。
えのきだけは、栽培と利用の歴史が古く、元禄八年(一六九五年)、平野必大の著わした『本朝食鑑《ほんちようしよつかん》』の「菜部」の項に、「榎葺、恵之木多計ト訓ズ、此ノ茸榎樹及老根枯株ニ生ズ、当世嗜好ノ家老榎大樹ヲ伐テ五六尺ノ大ト作シテ土窖中ニ置ク、之ヲ覆フニ湿稲草薦ヲ用テ米※[#「さんずい+甘」、unicode6cd4]冷汁ヲ澆《ソソ》グコト日ニ一両次、二三日ニ至テ罷ム、日ヲ経テ多ク茸ヲ生ス、采テ之ヲ食ヘバ則味鮮美ナリ」——と記されています。
冬の雪中や低温の時期に穫《と》れるため、福島あたりでは「かんたけ」、山形地方では「ゆきのした」の名で呼ばれています。ほどよいぬめり、さわやかな歯切れを生かして、みそ汁の実、寄せなべに入れるほか、さっとゆでて、だいこんおろしの三杯酢、またはなっとうあえ、あんかけ、すき焼き、煮つけ、てんぷら、フライ、野菜|炒《いた》めなどにして、賞味します。