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たべもの歳時記170

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:うみたなご一般にタナゴといって、ウミタナゴとはいいませんが、淡水産のタナゴ類を、東京付近ではタナゴというため、これとまち
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うみたなご
一般にタナゴといって、ウミタナゴとはいいませんが、淡水産のタナゴ類を、東京付近ではタナゴというため、これとまちがわないように、むかし、誰かがウミタナゴと命名しておいてくれたものです。
ウミタナゴは、海岸近くに棲んでいるので、夕方には内湾に入り込み、暁にはやや外海へ出る習性があり、そのため、魚道へ網を敷いておけば、たくさん獲ることができます。また、群れを組んで泳いでいるので、側へ寄ってきたときだけ、巧みに釣る必要があります。
体長二十センチの小魚で、体高がいちじるしく高いのが特徴で、四月頃から七月頃までに釣り上げたウミタナゴを料理すると、メスの腹には親とそっくりの子どもが、二十五匹内外入っていることが多い。魚はたいてい卵生で、しかも硬骨魚類では、胎生するものは少ないのに、ウミタナゴは、めずらしい胎生魚の一種です。ウミタナゴの胎児は、人間の場合とちがって、位置が乱雑になっているので、島根県あたりでは、この魚を食べると、逆子《さかご》を産むといい、むかしは妊婦に食べさせなかったようです。しかし東北地方では、上品な味を持っているため、上等魚として、病人や妊婦に重宝な魚と考えているといいますから、まさに所変れば……の感を深くします。
北海道南部から九州南端までの太平洋岸、および日本海岸に広く分布しており、棲む場所によって、多少からだの色が変り、岸近くにいるものは、青味を帯びた銀色をしているのに、沖合に棲むものは赤味を帯びています。四月から七月の産卵期が終り、秋風が立つ頃になると、味が乗って来ます。ウミタナゴは、割合に脂気が少ない魚なので、照り焼き、あるいは煮魚が向き、中国料理でいう「素《そ》には膩《に》を配する」(膩はあぶら、脂肪のこと)と、おそうざいになります。
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