コーカサスの老人天国を訪ね、長寿の秘密を調べてこられた川島四郎先生のお話によれば、「長寿者の全員が腹八分で過食せず、殆ど自然のままの食物を食べている。畑からとってきたばかりの新鮮な野菜やくだものなので、防腐処理のための添加物は加えないし、漂白も着色も全くしていないものばかりを口にしている」なかでも、注目すべきことは、「有色野菜、ことにトマト、きゅうり、青ねぎ、青菜、にんにくが多く、キャベツのような白い野菜はごく少ない」ということです。「最近、日本の若い女性に貧血が多いのは、調理に手間のかかる青菜類をいやがるところに原因がある」とは先生の結論。
しをらしや細茎赤き菠薐草 鬼城
ほうれんそうはアカザ科に属し、ペルシャ地方が原産。漢名の菠薐はペルシャの意で、中国へは七世紀頃、ペルシャから入ったと記録があります。わが国では三百年くらい前から栽培され、正徳四年(一七一四年)貝原益軒の『菜譜《さいふ》』には、ほうれんそうの栽培と利用法がくわしく記されています。日本種と西洋種の二種あり、いま出回っているのは、茎の赤い日本種で、葉が細長く、先端がとがり、茎に欠刻があります。西洋種は葉に丸味があって、色が濃く、日本種のような泥臭さはありません。近頃は、西洋種と日本種との交配種が多く作られるようになり、歯切れがよく、味のよい日本種はだんだん少なくなりつつあります。
ビタミンA・Bに富み、Cもかなり多く、鉄分の含有量が豊富で、貧血症の人には補血強壮の利きめがあり、病人や子どもにもよい緑野菜です。おひたし、あえもの、すましの実にするほか、バターいためにしてもおいしい。葉柄が短く、葉肉が厚く、葉の色の濃いものが良い品。
しをらしや細茎赤き菠薐草 鬼城
ほうれんそうはアカザ科に属し、ペルシャ地方が原産。漢名の菠薐はペルシャの意で、中国へは七世紀頃、ペルシャから入ったと記録があります。わが国では三百年くらい前から栽培され、正徳四年(一七一四年)貝原益軒の『菜譜《さいふ》』には、ほうれんそうの栽培と利用法がくわしく記されています。日本種と西洋種の二種あり、いま出回っているのは、茎の赤い日本種で、葉が細長く、先端がとがり、茎に欠刻があります。西洋種は葉に丸味があって、色が濃く、日本種のような泥臭さはありません。近頃は、西洋種と日本種との交配種が多く作られるようになり、歯切れがよく、味のよい日本種はだんだん少なくなりつつあります。
ビタミンA・Bに富み、Cもかなり多く、鉄分の含有量が豊富で、貧血症の人には補血強壮の利きめがあり、病人や子どもにもよい緑野菜です。おひたし、あえもの、すましの実にするほか、バターいためにしてもおいしい。葉柄が短く、葉肉が厚く、葉の色の濃いものが良い品。