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たべもの歳時記187

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:ふぐ こんな話が江戸期の随筆にあります。「鰒は食べてもよいか」と、患者が医者の許に手紙を書いた。患者はその字をフグと思い
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ふぐ
 こんな話が江戸期の随筆にあります。「鰒は食べてもよいか」と、患者が医者の許に手紙を書いた。患者はその字をフグと思い、医者はアワビと解していたと見え、早速「よろしい」と返事を認《したた》めた。患者は安心してフグを喰い、中毒して死んでしまった——というものです。医者もウカツでしたが、患者も患者で、中国の文字を、真俗二様に書きちがい、読みちがえ、あたら一命を落すとは……、哀れにも愚かな話。なぜ河豚と書かなかったのでしょう。
貝塚からフグの骨が見つかるところから、フグは大むかしから食用にされていたとみられ、江戸時代にも、さかんに庶民に愛好され、「あら何ともなやきのふは過てふくと汁」と、芭蕉の句にあるように、元禄期には、フグ汁を喰ったことが、芭蕉の手紙にも書かれています。
街に木枯しが吹く頃ともなると、不思議にフグが喰いたくなります。季節への義理というものでしょうか。フグ料理といえば、まずなによりも刺身。フグの刺身は「見る料理」といわれる日本料理の中でも、とりわけ美しいものです。
河豚の皿赤絵の透きて運ばるる 吐天
フグさしは、ガラス細工の花かと見まごうように、繊細で、皿の色まで透きとおすように大きな花弁状にひろげられ、ひときれ、ひときれ、箸でくずすのが惜しいほどです。みじん切りにしたあさつきの青、もみじおろしの朱、透きとおったふぐの白身——と、色どりも美しく、おいしく、味の淡泊な割りに、こくがあり、あとあじのよさは、たとえようもありません。皮もおいしく、皮と身との間の|とおとおみ《ヽヽヽヽヽ》も、しこしこした歯ざわりが忘れ難い。ちり、雑炊も楽しい。
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