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たべもの歳時記210

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:もろこ  諸子釣り琵琶湖狭しと並びたり 虚子琵琶湖は、さすがにわが国淡水魚の本場といわれるだけあって、他にはない珍しい、
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もろこ
  諸子釣り琵琶湖狭しと並びたり 虚子
琵琶湖は、さすがにわが国淡水魚の本場といわれるだけあって、他にはない珍しい、おいしい魚がたくさんいます。コイ科に属するモロコもその一種です。寒波の周期の第一日が豊漁といわれ、寒さがきびしくなるにつれ脂が乗り、味がだんだんよくなります。体長わずかに十二センチほどの魚ですが、上方のひとたちには、非常に親しまれています。
漢字では魚ヘンに巴を当てはめ、また、子孫繁栄を賞《め》でて諸子とも書いて、数の子と同じように、お正月の祝い肴にも加えられています。モロコにもいろんな種類があり、ホンモロコ、スゴモロコ、タモロコ、イシモロコ、ヤナギモロコなどが、その主なものです。少々寒がり屋で、多くは十一月頃から、翌年二月末頃にかけて、湖心の深い場所に潜って越冬します。産卵期は四、五月の頃で、卵ではち切れそうな腹をした銀白の魚の群れが、いっせいに細流にまで入り込んで来て、芦の根、泥底に沈んでいる女笹《めざさ》の枝などのそこかしこに、春の営みをつづけます。
食べてうまいのは、やはり、ホンモロコ。他の諸地方に産するものは、多くはタモロコ。わずかのものがスゴモロコなので、さほどおいしくなく、従って殆ど食用に供しません。
琵琶湖のホンモロコは、からだも大きく、秋から冬にかけて、とくに骨がやわらかになり、一月下旬から二月頃の卵を持ちかけの頃が、いちばん味もよい季節ですが、惜しいかなその頃になると、湖の深いところに移っているので、あまり釣れません。串に刺した丸焼きの熱々を、酢みそにころがすか、照り焼き、魚田、飴だき、それに、にぎりずし……と、頭から尻っぽまで、丸ごと食べられるので、育ちざかりの子どもには、なかなかの栄養食といえましょう。
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