近頃都会地では野草の芽ぶく余地がなく、摘み草をする習慣も失われてしまったようです。
子どもらと手携《たずさ》はりて春の野に 若菜を摘めば楽しくもあるかな
良寛さまの歌ですが、お休みの日など、家族中で、郊外に摘み草に出かけ、自然との触れ合いを楽しむこころの|ゆとり《ヽヽヽ》を取戻したいものです。
「七草、なずな、唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に、七草、なずな、手に手に摘んで……」と唱えながら、包丁でトントン調子をとりながらきざむ七草。
この七草は地域によって、多少異なりますが、たいていは、
せり、なずな、御行、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ、これぞ七草
と、覚えやすく歌にしてあります。
七草のはじめに登場するせりは、早春の雪解けの頃から、畦道《あぜみち》などに生える香気の強い野ぜりと、流れや水田などに、群生している水ぜりとがあります。
いずれも密生して、逼《せま》り合って生ずるから、セマリのマを省略して「せり」と名付けたといい、また一説には、一カ所に競《せ》り合って生えるからせりというのである——ともいいます。漢名は水※[#「斤+斤」、unicode65a6]ですが、後世、※[#「斤+斤」、unicode65a6]を俗に芹と書いたのです。
小芹つむ沢の氷のひま絶えて 春めきそむる桜井の里 西行法師
採取時期は三月頃から、ふつう四、五月。アクが強いので、ゆでて水にさらします。ただし、かおりが生命ですから、ゆですぎや、さらしすぎは禁物。マヨネーズあえか、ごまあえ、酢のもの、煮びたし、てんぷらなどに。
子どもらと手携《たずさ》はりて春の野に 若菜を摘めば楽しくもあるかな
良寛さまの歌ですが、お休みの日など、家族中で、郊外に摘み草に出かけ、自然との触れ合いを楽しむこころの|ゆとり《ヽヽヽ》を取戻したいものです。
「七草、なずな、唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に、七草、なずな、手に手に摘んで……」と唱えながら、包丁でトントン調子をとりながらきざむ七草。
この七草は地域によって、多少異なりますが、たいていは、
せり、なずな、御行、はこべら、仏の座、すずな、すずしろ、これぞ七草
と、覚えやすく歌にしてあります。
七草のはじめに登場するせりは、早春の雪解けの頃から、畦道《あぜみち》などに生える香気の強い野ぜりと、流れや水田などに、群生している水ぜりとがあります。
いずれも密生して、逼《せま》り合って生ずるから、セマリのマを省略して「せり」と名付けたといい、また一説には、一カ所に競《せ》り合って生えるからせりというのである——ともいいます。漢名は水※[#「斤+斤」、unicode65a6]ですが、後世、※[#「斤+斤」、unicode65a6]を俗に芹と書いたのです。
小芹つむ沢の氷のひま絶えて 春めきそむる桜井の里 西行法師
採取時期は三月頃から、ふつう四、五月。アクが強いので、ゆでて水にさらします。ただし、かおりが生命ですから、ゆですぎや、さらしすぎは禁物。マヨネーズあえか、ごまあえ、酢のもの、煮びたし、てんぷらなどに。