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たべもの歳時記218

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:白魚 九州の天草地方の漁民の間で、もてはやされる料理に「白魚のおどり食い」というのがあります。とうふと白魚を、一つなべの
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白魚
 九州の天草地方の漁民の間で、もてはやされる料理に「白魚のおどり食い」というのがあります。とうふと白魚を、一つなべの中に入れ、だし汁を水からたきます。とうふの周りを気持よさそうに泳いでいた白魚は、だんだん水が熱くなってくると、冷たいとうふの中にもぐり込みます。結局、とうふが煮える頃には、白魚はとうふの中で、おどったような恰好で、ほどよく煮えているという、ちょっと残酷な料理です。
先年、九州のある放送局で「白魚のおどり食い」を、郷土の風物詩として放送したことがあります。そのとき、アナウンサーが「白魚」を「シロウオ」といったことから、物議を醸《かも》しました。ところが、実は「白魚」には二種類あるのです。『水産動植物図説』によるとシラウオの項には
「一般にシラウオと云ふ。是に似たシロウオは形が小く、円筒形であるが、シラウオは稍《や》や大きく、側扁した体をもつてゐる。シラウオには他の方言がないが、シロウオには種々の方言がある。シラウオは鮭鱒に近いから、背部に脂鰭《あぶらびれ》があるが、左右の腹鰭は互に離れてゐる。シロウオはハゼ科のものであるから脂鰭は無く、小いながら左右の腹鰭は癒合し、猪口形をなしてゐる。」
と、記されています。つまり、シラウオとシロウオとは学問上、まったく別の種類の魚なのです。
味はシラウオよりもシロウオのほうがうまい。けれども、シロウオは死ぬと、にわかに味が落ち、死んだものは売りものになりません。その点、シラウオは死んでも、にわかに味を落さないので重宝です。ですから「おどり食い」するというのも、シロウオなのです。アナウンサーが「シロウオのおどり食い」と紹介したのは、正しい呼び名に従ったまでのことです。シラウオは、卵とじ、吸いもの、白煮などにして賞味します。
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