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たべもの歳時記227

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:こい「緋鯉はぼしゃりと又|跳《は》ねる。薄濁りのする水に泥は沈んで、上皮丈《うはかはだけ》は軽く温《ゆる》む底から、朦朧
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こい

「緋鯉はぼしゃりと又|跳《は》ねる。薄濁りのする水に泥は沈んで、上皮丈《うはかはだけ》は軽く温《ゆる》む底から、朦朧《もうろう》と朱い影が静かな水を動かして、浮いて来る。滑《なめら》かな波にきらりと射す日影を崩さぬ程に、尾を揺《ゆす》つてゐるかと思ふと思ひきつてぽんと水を敲《たた》いて飛びあがる。一面に揚る泥の濃きうちに、幽かなる朱いものが影を潜めて行く。」(夏目漱石)
コイはフナとともに、淡水に棲む魚としては、いちばんよく知られている魚で、また、食用に供される数多い魚族の中で、世界を通じて、その名のもっとも知れ渡っている魚でもあります。東洋では、日本も中国も、ともに鯉という字を使っています。
わが咳けば寒鯉鰭をうごかしぬ 風生
コイは日本では、たいへんめでたい魚とされ、地方によっては、今でも祝儀の際には、必ずコイを用いる習慣があります。中国でも、コイをめでたい魚としていることは、むかし孔子のところに子が生まれたとき、孔子の主君であった曾君が、コイを祝いに贈ったとのことで、孔子はそれを非常に喜び、その子の名を「鯉」と名付け、字を伯魚といわせたことでも分ります。
コイが縁起のいい魚として、喜ばれたについては理由があります。水から揚げても一日くらいなら生きているし、俎板《まないた》の上に載せれば、これを前世の宿縁と諦めたかのように、死を見ること帰するが如きありさまは武士道に通ずる魚でもありました。こんなことが元来は中国大陸原産で、日本には、あまり縁のない魚なのに、よく飼われ、その習俗まで伝わるもとになったようです。
コイは洗いがよく、わさびじょうゆか酢みそで賞味します。また、頭を落して胆嚢を除き、丸のまま筒切りにしての|こいこく《ヽヽヽヽ》も、また一段とおいしい。
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