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食物ことわざ事典04

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:秋鯖の刺身にあたると薬がない 日中はまだ残暑きびしいことはあっても、朝晩めっきり肌寒さをおぼえるころともなると、魚屋さん
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秋鯖の刺身にあたると薬がない

 日中はまだ残暑きびしいことはあっても、朝晩めっきり肌寒さをおぼえるころともなると、魚屋さんの店頭には、まるまると肥え太った秋サバが姿を見せはじめます。みそ煮、塩焼き、こぶじめなどにした秋サバを口にすると、トロッとした脂が口中にひろがり、白身魚のタイやヒラメとはひと味ちがったうま味を感じさせます。俗に「秋鯖嫁に食わすな」と言われるくらいで、昔からしゅんものの秋サバは、もてはやされてきました。
秋鯖のずしりとおもしたなごころ 桜山
ひと口にサバと呼びならわしていますが、実はサバにはゴマサバとホンサバの二種類があって、秋サバとしてよろこばれるのは主としてホンサバです。このホンサバ、四月から五月にかけて産卵し、産卵後は見るも哀れなくらい痩《や》せ細りますが、もともと食い意地のさかんな魚だけに、産卵後、旺盛に餌を摂《と》り、秋になると、からだ全体に脂が乗ってきます。そして、この脂の一部は瞼《まぶた》にも蓄えられるので、眼はうるんだような乳白色になるほどです。このような状態がいわゆるサバのしゅんです。ところが、ゴマサバのほうは産卵期にそれほど影響されず、一年中同じ程度に脂が乗っていて、あまり味の変化はないと言われていますが、一般にゴマサバのしゅんは夏場とされています。
サバと言えば、誰しもすぐ思い出すのは、「鯖の生き腐れ」ということわざ。まさか、生きている魚が腐るというわけはありませんが、サバは傷《いた》みやすい魚で、獲《と》れたときから肉は白っぽく、ぶよぶよしていて、放っておけば数時間で食べられなくなってしまいます。とりわけ夏サバは腐りが早く、腐っているのに気付かずに食べると、|あたる《ヽヽヽ》ことがあるので、極端なもの言いで、鮮度に心したほうがよいと戒めたのでしょう。
「秋鯖の刺身にあたると薬がない」──秋サバの中毒は特にはげしいことを言ったことわざです。食中毒の年間統計を見ても、一番多いのは五月から九月までの暑い間ですが、秋になると毒きのこの中毒とともに上位を占めるのは、サバを含めた魚による中毒です。
よく、特異体質の方で、青い色をした魚を食べると、赤い発疹《はつしん》が出たり、顔が赤くなって、まるでお酒に酔ったように、ほてったり、ひどい場合には、熱などが出て苦しむ方があります。特異体質の方でなくても、腐った魚を食べれば、「魚に酔う」ということになって、顔など赤くほてって、苦しむことがあり、このことわざのように、量が多ければ、薬がきかず、死ぬことさえあります。これは魚のたんぱく質が腐敗してできたアミン類の中毒です。とくにサバはたんぱく分解酵素の働きが、ほかの魚よりもずっと強く、「鯖の生き腐れ」と言われるほど、死ぬと早く腐敗菌の|とりこ《ヽヽヽ》になってしまいます。
サバにかぎらず、魚は鮮度のよいものほど、味もよいし、食べても安全なわけですが、しゅんの秋サバは、殊《こと》に鮮度第一と心がけましょう。
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