返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

食物ことわざ事典07

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:雨柿日栗  柿もぐと樹にのぼりたる日和なりはろ/″\として背振山見ゆ[#地付き]中島哀浪結婚五〇年目の金婚式を迎え
(单词翻译:双击或拖选)
雨柿日栗
  柿もぐと樹にのぼりたる日和なり
はろ/″\として背振山見ゆ
[#地付き]中島哀浪
結婚五〇年目の金婚式を迎えた両親と、久方ぶりにドライブを楽しんだのは、一〇年前の秋の終りごろでした。故郷富津の近在は、千葉県内でも有数の柿の産地で、実りの秋を象徴するように、枝もたわわに、たくさんの実をつけていました。やわらかな秋の陽ざしに映える柿の実の色どりの美しさ。田舎には、まだ自然のゆたかなよろこびがありました。
「柿は隔年結実《かくねんけつじつ》と言って、ある年たくさん実をつけると、そのために樹が疲れるのか、翌年は実の結びが極端に少なく、生年《なりどし》と不生年《ふなりどし》とを繰り返し、実を結ぶのが隔年になるが、昔、お百姓さんは、生年の収穫が済むと、柿の根元に、塩の空《あ》き叺《がます》を敷きつめた。ふしぎなことをするものだと、そのわけを聞いたところ、『こうすると樹が休まずに、不生年にも、いっぱい実をつけるんです』という話だった。次の年の穫《と》れ秋に柿の買い出しに行ってみると、空き叺を敷きつめた樹は、確かにたくさんの実をつけていた」
父は車道沿いの柿の樹を見上げながら、問わず語りにこう言いました。七六年の生涯の大半を、青果物の卸しの仕事に打ち込んだ父の回想話の一つです。
父から塩の空き叺効用説を聞いたあとで、「柿の落花を防ぐには塩俵を敷け」ということわざのあることを知りました。専門家にうかがうと、落花の原因の一つは生理的落花で、養分や水分の供給が適当でないときに起こる。塩俵を敷くと乾きすぎることがなく、土壌が適当に湿っているので、落花が少なくなることも考えられる。しかし、この方法も、雨の多いときには、あまり効果は期待できない。また、柿は雌雄異株だが、人工授精をしないと、受粉しなかった花は落ちる──という話でした。
柿にかぎらずくりも、生《な》り方《かた》が年によって違います。特に柿は剪定《せんてい》や摘果《てきか》をしないと隔年結実となりますが、そればかりでなく、柿もくりも、その年の気象条件によっても、実の生り方が違ってきます。それについてのことわざが「雨柿日栗」というわけです。
これは雨の多い年には柿の出来がよく、日照りの年にはくりがたくさん穫れる──というのです。柿は開花期に長雨が降ると落葉が多くなりますが、それでも全般的に雨の少ない年よりも、適当に雨の多い年のほうがよく実ります。柿は乾燥には弱いが耐湿性は極めて強く、果実の肥大にも土壌水分の影響が大きいと言われ、乾くときは果実が腰高となり、水分の豊富なときは扁平《へんぺい》となって、果実硬度が高まることが認められています。
一方のくりは、開花期に雨が多いと受粉が妨げられ、病害虫で実の生りがわるく、成熟期に雨が多いと、果実が裂けて、味がわるくなります。それで、くりは雨の少ない年に、うまいものが多く穫れます。こうしたことから「雨柿日栗」と言われました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

[查看全部]  相关评论