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食物ことわざ事典09

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:鮟鱇の吊し切り  その以前あんかう食ひし人の胆《きも》実際、押しつぶしたチャックのカバンのようなグロテスクそのもののアン
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鮟鱇の吊し切り
  その以前あんかう食ひし人の胆《きも》
実際、押しつぶしたチャックのカバンのようなグロテスクそのもののアンコウの姿を見たら、誰しも酒井抱一のこの句のような感想を抱かれるでしょう。大きなシャモジのようなこの魚は、頭がバカでかく、下アゴが突き出し、鋭く不揃いの歯が生え、胸ビレは強く発達し、これで海底を這うことができるので、アンコウの腕と呼ばれています。それにくらべて、腹ビレは腹部の中央にあり、退化してほとんど役に立ちません。目は二つとも頭頂に並んでいて、上から近づいてくる餌を狙っています。
アンコウの背中には頭の中央から尾に至るまで、何本かのひらひらした長い触手のようなものがあり、これは背ビレの棘《とげ》がはなればなれになったもので、学問的には「離棘」と言うのだそうで、この離棘を交互にゆらりゆらりと波状に動かして餌となる魚をおびき寄せます。とりわけ、口のすぐ後についている一番太い第一の離棘を前後左右に揺らして、魚を口中に引き寄せる魔術を心得ています。
日本では「鮟鱇の待ち食い」などと怠け者の代名詞みたいに言われていますが、外国では「魚を釣る魚」という意味で、釣人魚(アングラー・フィッシュ)の名が付いています。
この深海魚、姿、形の醜さにかかわらず、なかなか味わい深い魚です。関西では下魚の中の下魚とされ、料理に使われることは稀ですが、関東では「関東のフグ」などと言い、もてはやされ、とくにキモがうまいため、キモの大きい鹿島灘のものが珍重されています。
頭から尻っぽまで、ほとんど捨てるところがなく、どこも食べられ、しかもアバラ骨がないため、触れるとグニャグニャし、おまけにウロコがないのでヌルヌル。全く掴《つか》みどころのない魚で、俎板《まないた》の上ではとても調理しにくい魚です。そこで料理するときは、鉤《かぎ》で下アゴを引っかけて、高いところに吊し、胃袋に重心を置くため、口から水を入れます。そして、頭の方から包丁を入れて行きます。これを「鮟鱇の吊し切り」と言います。
鮟鱇を見ては高尾の母は泣き
江戸吉原の三浦屋四郎左衛門抱えの花魁《おいらん》高尾太夫は、その美貌を買われて仙台侯に落籍《ひか》されたものの、金では言うことをきかぬ意気地が仇となって、木に吊されて切り殺されたという俗話(実説では姫路侯榊原|政岑《まさみね》に落籍《ひか》され、政岑は隠居を命ぜられた)から、こんな柳句も生まれたのでしょう。すでに吊し切りは江戸時代の初期には行われていたと見えて、『絵入貞徳狂歌集』料理方の挿図に描かれています。
熱燗《あつかん》の一杯を傾けながら、たっぷり脂の乗ったアンコウのキモを舌にのせると、とろけるような、ねっとりとした滋味が全身に浸みわたり、冷えきったからだを芯から温めてくれます。アンコウ鍋はやはり冬場のものです。水ぬるむ三月以降には、味も急激に落ちて行くので、値段も急激に下がります。
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