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食物ことわざ事典15

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:従兄弟同士は鴨の味 いとこ同士の夫婦仲は、鴨の味のようによい──ということで、睦《むつま》じいことのたとえ。式亭三馬の『
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従兄弟同士は鴨の味
 いとこ同士の夫婦仲は、鴨の味のようによい──ということで、睦《むつま》じいことのたとえ。
式亭三馬の『浮世床』に、鳥屋のちゃぼ八が、一羽残った青首の鴨を売りたてる口上に、
〈まづ此鴨《このかも》をめしあがつて御覧《ごらう》じろ。芳《かうば》しくて歯《は》につかず、従弟《いとこ》同士《どうし》の味《あぢ》が致《いた》す。北州《ほくしう》の千|年《ねん》も蜉蝣《ふいう》の一時《いつとき》、盧生《ろせい》が夢《ゆめ》も五十|年《ねん》、一時《いつとき》の栄花《えいぐわ》には千《ち》とせを延《の》ぶる……〉
と、言っているところから推しますと、鴨の美味を、いとこ同士の夫婦の味のよさにたとえているようです。鴨は縄文時代から食べられていて、江戸初期(寛永二十年板)の『料理物語』第四鳥の部には、鴨の調理法として、
汁 骨《ほね》ぬき いり鳥 生皮《なまかわ》 さしみ なます こくせう くしやき 酒《さか》びて 其他色々
と、さまざまな例が挙げられています。冒頭に「汁」と出てくることからもお分りのように、鴨は吸いものとして、もっとも珍重されていたようですが、男女間の睦じさを、どうして鴨の味にたとえたのか、その理由は、よく分りません。単によいものとして引き合いに出されている以上の、もっとエロチックな意味合いがあるのかも知れません。芭蕉の付け合いに、
夜更けて語ればいとこなる男 荷兮
縁さまたげのうらみ残りし 芭蕉
というのがあります。遊女が客として迎えた男と語り合っているうちに、なんと長年逢うことがなかった従弟であることが分ったという前句に対し、あの折に、邪魔が入らなかったら、今ごろは夫婦として、幸せな生活を送っていたかも知れぬ、かえすがえすも恨《うら》めしい邪魔であったことよ──と、付けているのでしょう。
この一句からも芭蕉は、かなりの訳知《わけし》りで、苦労人であったことがうかがえますが、農村辺りでは、今でも「いとこぞい」はありがちのことで、幸田露伴が『芭蕉七部集』の評注に、
「当人同士も薄々|其《その》事を知りながら育ち行く歳月の間、懐かしくも亦《また》羞かしくて、物心おぼえてよりは互に会ふことありても、まほには打|対《むか》ひかねて、逃げかくれするなどいふことも有る習なり」
というのも、うなずかれます。いとこぞいの夫婦というのは、本当に、睦じいものでしょうか。いとこ同士と言えば、四親等で、かなり濃く血がつながっています。それに田舎のように、近くに住んでいれば、家庭同士はもちろん、本人同士も熟知する機会も多いでしょうし、家庭同士・本人同士が知り合う機会の乏しかった昔の結婚においては、いとこぞいは夫婦仲を円満につづけさせる条件に恵まれていたということでしょう。ところで、野鳥中随一のうまさを誇る鴨も種類は多く、学者はこれを鴨、海鴨、アイサに三大別していますが、味わいのもっとも優れているのは鴨類で、海鴨がこれにつぎ、アイサ類はまずくてお話になりません。鴨の中でうまいのはオシドリをもって第一とすると言われますが、残念ながら現在は禁鳥です。
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