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食物ことわざ事典16

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:色は茄子の一夜漬け 今からざっと一〇〇〇年前、平安中期の宮中の法令集『延喜式《えんぎしき》』という本の中に「内膳司」とい
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色は茄子の一夜漬け
 今からざっと一〇〇〇年前、平安中期の宮中の法令集『延喜式《えんぎしき》』という本の中に「内膳司」という巻があり、そこに春菜、秋菜の漬けもののことが書かれていて、当時、すでに山菜や果物の塩漬けや、粕(糟)漬け、もろみ漬け……などがあったことが分ります。漬けものは相当古くから和食の重要な副食で、近頃、市販の加工食品の種類も実に多くなっていますが、その中でも漬けものは、もっとも古顔に属するものと言えましょう。
数多い漬けもの用野菜の中でも、なすは塩漬け、ぬか漬け、粕漬け、みそ漬け、芥子漬けなど、いずれの漬け方をしてもうまいもので、『延喜式』にも、すでに「塩漬け・醤《ひしほ》漬け・糟漬け」なすが登場しています。わけても一夜漬けのなすの新鮮な色合いは、衰えがちな夏の食欲をすすめてくれます。
茄子漬のこの色留守の母に告げん 公平
しかし、紫紺《しこん》色あざやかになすを漬けるのは、意外にむずかしいものです。色上がりよく漬け込むには、ぬか床が肝心で、手入れの行き届いたものでなければなりません。ぬか床熟成の主役となる乳酸菌は、かなり気むずかしい性格の持ち主で、常にぬか床をこの菌の発育に必要な環境にととのえるよう努力しなければなりません。よいぬかみそは適度に乳酸菌が繁殖して、一種特有の風味が形成されますが、なすの色素であるアントシアン系色素のナスニンは、酸性が強いと赤変してしまいますので、ぬか床にマメに手を入れ、攪拌《かくはん》し、乳酸菌と酪酸菌・酵母・雑菌などのバランスがくずれないよう注意します。手入れを怠ってバランスがくずれ、酸味が強くなりすぎると、覿面《てきめん》に色|褪《あ》せ、赤茶けてしまうことは、ご存知のとおりです。
常に新しいぬかを補充することも、大切な手入れの一つですが、全く新しいぬかだけでは、ぬかみその風味が出ませんし、色合いもきれいになりません。新しいぬかにはフィンチ(イノシトールの燐酸塩)が多く含まれているために、鉄、マグネシウム、カルシウムなどの金属イオンが結合して、不溶性のキレート化合物を形成してしまうため──だと言われます。
一方、ナスニンは、鉄、マグネシウムなどと結合することによって、安定した紫紺色を保つことは、よく知られています。このあたりに、どうやら、ぬか漬けなすの色合いをきれいにするためのコツが潜んでいそうです。昔からぬか漬けをつくるとき、ぬか床に古釘を入れたり、鉄ミョウバンでなすの表面を擦《こす》るのも、鉄イオンがナスニンと結合して、美しい紫紺色を呈するからです。
そのためには、専売公社の精製塩や食卓塩のように純度の高すぎる塩化ナトリウムを用いたのでは、なすの色がよく出ないのは当り前で、昔から使われてきた天然の粗塩《あらしお》のように、いくぶん塩化マグネシウムなどの含まれている塩を使いたいものです。
朝かほの龝待《あきまつ》いろや茄子漬 左次
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