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食物ことわざ事典17

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:鰯で精進落ち 浄瑠璃『堀川波鼓』にも、「よくよく見れば下女子《しもをなご》エエ、もつたいなやいまいまし。鰯で精進おちよう
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鰯で精進落ち
 浄瑠璃『堀川波鼓』にも、
「よくよく見れば下女子《しもをなご》エエ、もつたいなやいまいまし。鰯で精進おちようとしたと」
と、使われているこのたとえ。イワシのような下等な魚で、せっかくの精進明けを祝うのはがっかりすることから、長い間耐えてきた気持ちが報いられないことの意味に用い、また、イワシのような魚で、魚肉を食べぬという精進を破る意から、つまらないことで努力がムダになることのたとえにも用いられます。因《ちな》みに「精進落ち」は、精進の期間が終わり、平常の生活に戻ることです。
運不運は、何も人間社会にかぎったわけではなく、およそ、生きとし生けるもの、いずれもこの適用を受けぬものはありません。魚族にしてからが、果報にめぐまれた魚があるかと思えば、一生わが身の不運をかこつものもあります。
さしずめ、タイやアユのようなものは、持って生まれた風姿の優雅さと味覚の上品さによって、最高の扱いを受け、ニシンやイワシのようなものは、栄養価値が優れているにもかかわらず、そうざいざかな以上の価値は認めてもらえず、終生食膳魚類の下積みとなって過ごさねばならぬとは、まことに哀れの極みと申さねばなりません。
腹立や毎日鰯つけてある 千燈
というあしらいを受けるに至っては、今さらのように「少数のものは尊ばれ、多いものは賤《いや》しめられる」──という運命を嘆かざるを得ません。
もっとも、ニシンに臭みがあるように、イワシにも特有の生臭みがあって、毎日の食膳に、この臭気が漂ったのでは、あるいは思いやりのなさに、腹立たしく思ったかもしれません。
イワシという魚名は、イヤシから出たものとの説もあり、昔は高貴の人は食べなかった──という史実もあります。そんなつまらぬ魚であるイワシで、せっかく魚肉を断って精進に励んできたのが台なしになったり、そのため不名誉な立場におかれたりすることのたとえに、表題のことわざは用いられます。下魚扱いを受けたイワシも、かなり古くから食用に供されていたようで、延長五年(九二七)に撰進した『延喜式』に、諸国の交易雑物として登場しています。
また、『古事談』(一二一五年板)という古代から平安中期までの説話を集めた本では、イワシは良薬に匹敵するほど栄養価の高い魚であると説いています。時代が降《くだ》って、江戸時代の『本朝食鑑』(一六九五年板)には、
「陽を盛んにし、陰を滋ひ、気血をうるほし、筋肉を強め、臓腑を通じ、老を養ひ、弱を育て人を肥健せしめる」
といった具合に、たいへんな賛辞も贈られています。漁場の人以外に味わえないものの、獲《と》れたてのウルメイワシを手でさばく刺身は絶品で、また、ウルメ干しは数ある魚の干ものの中でも高級品扱いを受けているのですから、世の中、まんざら見捨てたものではありません。
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