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食物ことわざ事典18

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:岩茸と運とは危ないところにある 木曾谷に昔から伝わるこのことわざも、いわたけを知らないとピンと来ないかも知れません。いわ
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岩茸と運とは危ないところにある
 木曾谷に昔から伝わるこのことわざも、いわたけを知らないとピンと来ないかも知れません。いわたけは「石茸」とも、また「木耳」(きくらげ)に対して「石耳」とも書き、漢名「石芝」と言います。地衣類の一種で、深山の岩肌のはなはだ危険なところに生えています。これを採るには釣りカゴに入るか、ロッククライミングの要領で、山頂の大木などより綱を下《おろ》して、岩肌に添って採取します。いわたけの生えているところを遠くから見ると、まるで烟《けむり》のようです。それを目印にして、釣りカゴか綱に生命《いのち》を托して採ります。これは樵夫《きこり》が副業とするもので、『漁樵問答』などの図によく描かれています。
形はきくらげに似て円く、浅く、皮のように重なって生え、大きなものは直径一〇センチもあります。表面は灰褐色で、裏は黒くて毛があり、その中枢に短い茎があります。乾燥して食用に供するわけで、山海の珍味として、どのような料理にも珍重して応用されます。
昔は不老長寿の妙薬とされ、「久しく食へば血色を増し、老に至っても精を減ぜず、紅顔美目にして、眼を明らかにする効あり」と言われ、近頃ではガンの特効薬──などとも言われています。主産地は鹿児島や宮崎県で、四季を問わずに採れます。夏採りに行くと、いわたけの生えている岩肌の|くぼみ《ヽヽヽ》に、よく毒蛇が日向《ひなた》ぼっこをしているそうで、採るには、まったく生命がけだと、樵夫《きこり》に聞いたことがあります。東京近郊では、秩父の山奥辺りでも採れ、わたしが最初に出遭ったのも、秩父の鄙《ひな》びた鉱泉宿で、乾燥品を袋に入れて売っていました。
いわたけは魚類、精進のいずれを問わず、平椀にも茶碗にも、刺身にも盛り分けにも、壺にも平皿にも、汁、蒸しものにまで用いられ、きくらげに似て、それより食味もよければ、応用される範囲も広いものです。
料理に使うときは、乾燥したいわたけを水に三時間ぐらい漬けてもどし、水を替えて、よく洗って砂気を取り去り、一〇分間ほど湯煮してから石づきのところを指先でつまみ取り、ほどよいやわらかさに煮ます。冷めてから掌の中で、そろそろと念を入れて、何度も水をとり替えながら、黒い汁が出なくなるまで丹念に揉《も》み洗いをします。俗に「青空を仰いで揉むと、色がよく出る」などと言いますが、確かにこうしてていねいに揉むと、紺碧の色がいわたけの粘りとともに出ます。そうしてから適宜に包丁をいれて切り放し、水気をしぼって、清酒、砂糖、濃口じょうゆを合わせた調味汁で煮込みます。
懐石の「八寸」などに、「岩茸甘煮|山葵《わさび》あえ」が出ますが、こんな場合は、歯ざわりを感じる程度の煮かげんを心がけることがうまく食べるコツで、わさびをねっとり卸して、濃口じょうゆで溶き合わせ、だしでいわたけの甘味をさっと洗ってから、汁気をよくしぼってまぜ合わせます。ところで、このことわざですが、「男はここ一番と思う時は、全力を挙げて賭けてみよ」というほどの意味でしょうか。
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