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食物ことわざ事典20

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:鰻に梅干し「鰻に梅干し」は食べ合わせ(食い合わせ)がよくありません。「鰻に生梅」ともいい、岡山地方では「鰻と梅干しとは食
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鰻に梅干し

「鰻に梅干し」は食べ合わせ(食い合わせ)がよくありません。「鰻に生梅」ともいい、岡山地方では「鰻と梅干しとは食べ合わせぬものである」と言います。『広辞苑』によると、「いっしょに食べると害になるというもの。また、それをいっしょに食べることの禁忌。ウナギと梅干、タニシと蕎麦の類」とあります。
江戸時代の儒者貝原益軒が健康、長寿を保つための書として著わした『養生訓』にも「同食の禁忌多し」として、例えば豚肉ならしょうが、そば、こすい(セリ科の一種、こえんどろとも言う)、炒り豆、梅、牛肉、鹿肉、スッポン、ツル、ウズラを忌む──などという項目が三〇種以上挙げられています。ですが、食べ合わせというのは迷信であると言ってよい。というのも、ある食物とほかの食物とをいっしょに食べたとき、もともと双方に含まれていない新しい毒物が造られて、中毒症状が起こらねば「食べ合わせがわるい」という結果になりません。こうした結果を科学的に証明したものは未だありません。
食べ合わせ例は「鰻に梅干し」のほか、古来言い伝えられてきたものに、「天ぷらと西瓜《すいか》、じゃがいもと薄荷《はつか》、海老《えび》と胡桃《くるみ》、家鴨《あひる》と山羊《やぎ》、……」など無数にありますが、今日ではみな迷信と考えてよい。ただし、こうした食べ合わせ禁忌のリストを見て言えることは、これらの多くは食中毒の季節に食べると、食あたりしやすいものであることです。その証拠にはカニ、エビ、タコ、タニシなど腐敗しやすいもの、それに消化しにくいもの、そば、タニシ、ハマグリなどが、食べ合わせの対象になっています。また、一方の食品にときどき有毒物を含むものがある場合、例えばフグと青菜の例では、フグがそれにあたります。こうした事例から、「食べ合わせ」は一概に迷信とのみ言い切ってしまわず、昔の人たちが身につけ、言い伝えてきた素朴な食品衛生学──と考えてもよいでしょう。
半面、「食べ合わせ」には単なる語呂合わせのようなものもあります。例えばカニと柿などというのは、明らかに言葉の遊び──と言えます。益軒は『養生訓』の巻末に、「こうした健康法や食事の注意は、どうかと首をかしげたくなるものも多いが、昔からの言い伝えを忠実に記述してみた」と、わざわざことわり書きをつけているくらいで、益軒自身がこの「食べ合わせ」を、全面的に信じていたわけではありません。
もともと「食べ合わせ」は古くから中国で行われた陰陽《おんよう》五行説から出たもので、食べ物をふくめて万物はみな陰と陽に分離されるということから、組み合わせてよいものと、よくないものが決められました。それに昔の人の経験が加味されて「食べ合わせ」の禁忌が生まれたものと思われます。それゆえ、「食べ合わせ」の科学的根拠はないものの、食中毒の多い季節には注意が必要だし、消化のわるいものは、ほどほどにというのは、迷信であってもなくても大切な生活の知恵ではないでしょうか。
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