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食物ことわざ事典23

时间: 2020-01-11    进入日语论坛
核心提示:怒って大根おろしを摺ると辛くなる「料理には気持ちが移る」「心のありようが味に出る」とは、さる有名な料理人の直話《じきわ》
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 怒って大根おろしを摺ると辛くなる
「料理には気持ちが移る」「心のありようが味に出る」とは、さる有名な料理人の直話《じきわ》ですが、朝の出がけに夫婦ゲンカしたりして気持ちがクサクサしていると、調味や味に端的にその気持ちが表われて、一体きょうの料理のまずさかげんはどうしたわけだろう? と首をかしげることがあるそうです。平常心が失われれば、調味の匙《さじ》かげんも狂うだろうし、焼き物の場合など、焼きかげんにムラが出て、極端に味に影響が出るのは十分考えられます。
お酒の好きな方なら、どなたも体験がおありでしょうが、それがハッキリと分るのが酒の燗《かん》です。ひと口に「酒《さけ》の燗《かん》は人肌《ひとはだ》」と言っても、これがなかなかむずかしく、その程合いを得ることはベテランのお燗番でも、その日によって多少の誤差が生じます。この程合いの|うまいへた《ヽヽヽヽヽ》で、飲み心地はまるっきりちがってきます。上等のお酒なのに、舌もヤケドしそうな熱々の酒を出されたりすると、「何かふくむところがあるのかナ」と、つい思ったり、反対にぬる過ぎるのも、せっかくいい気持ちでくつろごうとしている気勢を殺《そ》がれて、ガッカリしてしまいます。そればかりか、お燗をした人の取り組みの姿勢が腹立たしく、口先で調子のいいことを言っても、こころのいいかげんさが見え透いて、|人となり《ヽヽヽヽ》まで疑いたくなってきます。
これも知り合いの料理人から聞いた話ですが、「おむすび」のような簡単な食べ物にも同じようなことが言えるそうで、ひと口食べただけで崩れ出すようなゆるい結び方のおむすびのだらしなさは、食べる人をみじめな気分にさせますし、かと言って、ごはん粒がつぶれてしまうほど、かたく握ったものもおいしくいただけません。ほどよく握る──このへんの呼吸は、全く作る人の真心の投影としか言いようがありません。鼻歌まじりで、気もそぞろに握ったり、何かほかのことで腹立ちまぎれに握ったりしたら、おいしいおむすびになるわけがない──と、本人は反省を籠《こ》めて話してくれました。お医者さんだけでなく、飲食店も家庭の主婦もお客や家族の健康を預っているわけですから、真心を籠め、細心の注意を払って、料理しなければいけないと思います。まさか怒って摺ったからと言って、大根おろしが辛くなるとは思えませんが、心のありようは確かに味に反映します。それを強調したいばっかりに、少し誇張はあるものの、こう表現したのでしょう。料理を作る際には、常に平常心を保つように心がけ、料理は作る以前の心構えから味作りが始まる──と、心得て、取り組んで欲しいものです。
ところで、大根おろしのから味ですが、酢を加えると、から味が少し減ります。酢が酵素の働きをおさえるからで、また、このから味は揮発性なので、熱を加えるとなくなります。ですから大根おろしを煮る料理、みぞれ汁、みぞれ煮などには、から味が残らないわけです。
大根は摺りおろすと組織がこわれて、酵素が働き出し、時間が経つにつれて、だんだんから味が減少してきます。ですから、おろす前に受け皿に酢を落としておけば、から味をおさえるばかりか、ビタミンCの損失も防ぐことができます。
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